ソウルで「ART OnO 2026」が開幕。独自の試みを続ける新進アートフェアの現在地【3/3ページ】

アートについて深く語り合えるプラットフォームを築く

 そして本フェアのもうひとつの特徴は、商業ギャラリーと非営利機関の共存である。現代美術の展示や研究を支援してきた非営利機関であるSONGEUN(ソンウン)は、白壁のない開放的な空間でキム・ジソンのインスタレーションを、また別のブースではアン・ジョンジュの映像作品を展示。全南道立美術館は、地域の歴史と記憶を探求するグォン・スンチャンらの作品を紹介している。

SONGEUNブースより、キム・ジソンのインスタレーション作品
SONGEUNブースより、アン・ジョンジュの映像作品
全南道立美術館ブースの様子

 さらに今回中国からもいくつかの団体が初参加している。fibre/áunn museumは、上海拠点の作家ジャン・インによるインスタレーション作品を展開している。また、マイケル・ホゥアンらが設立したX Museumも初参加している。

fibre/áunn museumブースの様子
X Museumブースの様子

 ファウンダーのノ・ジェミョンは、本フェアについて「『体験』を売る場でありたい」と述べ、いまは収益よりもブランディングや独自性を優先する方針を示す。小規模ながら多国籍な顔ぶれや非営利団体との協働を実現している背景には、「アートについて深く語り合えるプラットフォームを築きたい」という明確な意志がある。

 今回8つの非営利団体が参加したが、次回に向けて多様な展開を計画し、すでに動き始めているという。誕生間もないフェアでありながら、その独自性に賛同する者とともに進化を続ける今後の動向を注視したい。