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舞台はサンパウロの「ボールの家」。建築とアートの調和を楽しむ第5回「アベルト」展をレポート【3/3ページ】

パリで勝ち得た確かな手応え

 ブラジルにも優秀かつ有名な建築家は多いが、果たしてアベルトが望むように今後も私邸や手掛けた建築作品を展覧会のために開放してくれる建築家が後に続くものなのだろうか? アシスは次のように語り、笑みをこぼした。

2025年にパリのメゾン・ラ・ロッシュで行われた第4回アベルト展展示風景 ©ABERTO

 「ロンドンに拠点を置きながらもサンパウロでの開催にこだわっているのは、ヨーロッパの建築家の私邸が郊外に多いのに対して、サンパウロでは市内には著名な建築家の家が多いからでもあります。私たちの企画は、回ごとに変化と驚きのあるイベントとなっています。初回の会場についてもオスカー・ニーマイヤーが手がけた家がサンパウロにあることはあまり知られていません。3回目は、日系のルイ・オオタケが母親の大竹富江のために建てた家と中国系のチュウ・ミン・オリヴェイラが建てた自邸の2ヶ所で開催しました。今回はカーザ・ボーラに加えて新たにサンパウロ各地のストリートでの展示を同時開催しています。次回開催の場所は未定ですが、今後も臨機応変に場所を選定することで企画を続けていけるでしょう」。

カーザ・ボーラの住所に近い路上で展示されたホゼ・アフェフェ《無題》(2026) ©Ruy Teixeira

 アシスは、昨年パリで行った第4回開催が大成功であったことについても、次のように誇らしげに語ってくれた。

 「メゾン・ラ・ロッシュでの展示の後にル・コルビュジエ財団から一通の手紙をもらいました。その文面にはメゾン・ラ・ロッシュが迎えた1日あたり、1週間あたり、そして1月あたりの訪問者数が、アベルトの開催によって過去最高を記録したと書かれていました」。

 このパリでの展示では、財団からの宣伝に加えて、フランスの主要メディア複数が取り上げたこともあって現代の作家の作品が完売するという実績も手にしたという。アシスはミラノに暮らした経験から、イタリアでのブラジル文化の人気がフランスより高いと感じている。またアメリカも中南米美術に開かれたマーケットだと認識しているため、このような欧米各国での新たな出張展示にも意欲的だ。加えてプライベートでの訪日経験から日本への憧れを募らせており、アベルトを著名な日本の現代建築で開催することがひとつの大きな夢だと語ってくれた。

編集部