「ピンクティールーム」と名付けられた部屋の中央には、空山のスタジオを再現した小部屋が鎮座。またその周囲を、貴重な原画の数々が囲む。ここでは、空山のロボット表現の源流とも言える、ウィスキーの広告のために手がけた作品の原画も見ることができる。


本展では、空山が手がけてきたコラボレーションプロジェクトのアーカイブも大きな見どころだ。
「アーカイブルーム」には、2001年のエアロスミスのアルバムジャケット『Just Push Play』の原画や、ソニーのエンターテインメントロボット「AIBO」のコンセプトデザインなど、ポップカルチャーやプロダクトデザインに与えた影響の大きさを物語る資料が展示されている。
また、近年話題となった、クリエイティブ・ディレクターのキム・ジョーンズ率いるディオール、ミュージシャンのザ・ウィークエンド、カーレーサーのルイス・ハミルトンらとのコラボレーションに関する展示も、空山の表現がいかに現代のクリエイティブシーンを刺激し続けているかを証明している。


最後の部屋は本展のための新作映像だ。空山の子供の頃からの「アイドル」だという恐竜のシリーズから、TREXを映像化し、巨大スクリーンで投影。映像と音響、そして振動を連動させることで、触覚でも楽しめるインスタレーションが実現した。

半世紀にわたり、既存の枠組みを軽やかに超えてきた空山。本展はその圧倒的なテクニックと、止まることのない探求心をダイレクトに感じられる貴重な機会と言えるだろう。最後に、空山の言葉を紹介したい。
「もし何十年か先にもう一度こういう展覧会ができたら、さらに熟成したものになるかもしれない。ここに並ぶのは自分のために描いたエンターテイメント。見に来てくれた人たちにも楽しんでもらいたい」。



















