1940年代に入り戦争が激化すると、国全体が総力戦体制へと突入していく。第3章「理念の表象」では、その影響が教育や日々の暮らしにまで浸透した様子が描かれる。
北川民次《作文を書く少女(慰問文を書く少女)》(1939)は、少女が戦地の兵士に送る慰問文を書く姿を描いているが、その表情は晴れず、手元の紙は白紙のままだ。子供の日常を描きながらも、北川がそこに忍ばせた反戦のメッセージが読み取れる。
また、会場には当時の教科書も展示されている。これらは1945年の敗戦後、GHQの指導により軍国主義的な記述が黒塗りにされた。


さらにこの章では、銃後を守る女性たちの姿にも光が当てられる。赤十字の従軍看護婦として戦地へ赴く女性や、軍需生産・農作業に従事する子供たちの記録は、戦争がいかに個人の生活を侵食していったかを物語っている。





















