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「戦後80年 戦争と子どもたち」(郡山市美術館)レポート。子供を見つめる眼差しに潜む、画家たちの本音と葛藤【2/3ページ】

 1940年代に入り戦争が激化すると、国全体が総力戦体制へと突入していく。第3章「理念の表象」では、その影響が教育や日々の暮らしにまで浸透した様子が描かれる。

 北川民次《作文を書く少女(慰問文を書く少女)》(1939)は、少女が戦地の兵士に送る慰問文を書く姿を描いているが、その表情は晴れず、手元の紙は白紙のままだ。子供の日常を描きながらも、北川がそこに忍ばせた反戦のメッセージが読み取れる。

 また、会場には当時の教科書も展示されている。これらは1945年の敗戦後、GHQの指導により軍国主義的な記述が黒塗りにされた。

左から、北川民次《作文を書く少女(慰問文を書く少女)》(1939)、作者不明《慰問袋》(1943)
戦時中に使用されていた教科書

 さらにこの章では、銃後を守る女性たちの姿にも光が当てられる。赤十字の従軍看護婦として戦地へ赴く女性や、軍需生産・農作業に従事する子供たちの記録は、戦争がいかに個人の生活を侵食していったかを物語っている。

第3章「理念の表象」の展示風景
『婦人倶楽部』などの女性誌にも、家庭における戦時体制の在り方や戦時中の手本となるような女性の姿が掲載されていた

編集部