• HOME
  • MAGAZINE
  • NEWS
  • REPORT
  • 「クロード・モネ ―風景への問いかけ」(アーティゾン美術館)…

「クロード・モネ ―風景への問いかけ」(アーティゾン美術館)開幕レポート。モネ没後100年、あらためて「風景」を問い直す

アーティゾン美術館で、モネ没後100年を記念する展覧会「クロード・モネ ―風景への問いかけ」が開幕した。オルセー美術館所蔵作品を中心に約140点を展示し、初期作から晩年の《睡蓮》まで、風景画家モネの歩みを多角的にたどる展覧会だ。

文・撮影=王崇橋(ウェブ版「美術手帖」編集部)

展示風景より

 公益財団法人石橋財団アーティゾン美術館で、展覧会「モネ没後100年『クロード・モネ ―風景への問いかけ』」が開幕した。会期は5月24日まで。本展は、印象派の巨匠クロード・モネ(1840〜1926)の没後100年という節目の年の幕開けを飾る企画となっている。

 自然光の移ろいに魅せられ、その変化を絵画にとどめようと生涯にわたり探究を続けたモネ。本展では、ル・アーヴル、アルジャントゥイユ、ヴェトゥイユ、ジヴェルニーといった、モネの創作を語るうえで重要な場所とそこで創作をした時代を軸に、風景画家としての歩みをたどっていく。あわせて、同時代の絵画や写真、浮世絵、アール・ヌーヴォーの工芸作品など、異なる視覚表現との関係にも目を向けることで、モネの制作の背景や関心を多角的に読み解く構成となっている。

 出品総数は約140点。オルセー美術館所蔵のモネ作品41点を含む約90点に、国内の美術館や個人所蔵作品が加えられている。近代化が進み、風景そのものが急速に変わっていく時代を生きたモネは、変化し続ける自然とどのように向き合い、それをどのように絵画として表現していったのか。本展は、自然環境が大きく揺らぐ現代に生きる私たちにとっても、「自然とどう向き合うのか」という問いを静かに投げかけている。

 展覧会の冒頭では、1850年代末から1860年代半ばにかけての若きモネの風景画に焦点が当てられる。ジャン=バティスト・カミーユ・コローやウジェーヌ・ブーダンといった、少し前の世代の画家たちの作品と並べて紹介することで、モネが自然主義的な絵画を出発点に、独自の風景表現を模索していった過程が示される。

セクション1「モチーフに最も近い場所でーノルマンディーとフォンテーヌブローで制作した1860年代のモネ」の展示風景

 1858年にノルマンディー地方ルエルで描かれた《ルエルの眺め》(1858)は、モネの油彩画としては、現在確認されているなかでも最初期のものとされている作品だ。若きモネが進もうとした方向性を端的に示す一作で、同年にル・アーヴルで展示された後、1877年まで画家の手元に置かれていたと伝えられている。

左は《ルエルの眺め》(1858)

編集部