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奈良美智と加藤泉の立体作品、京都・福田美術館に設置。現代美術コレクション拡充の第一歩に

京都・嵐山にある福田美術館が、新たな取り組みのスタートとして、奈良美智と加藤泉の屋外彫刻を設置した。

文・撮影=橋爪勇介(ウェブ版「美術手帖」編集長)

奈良美智《Long Tall Peace Sister, 2024》(2024)の展示風景

 京都でも有数の観光地・嵐山。ここに位置する福田美術館が、新たな取り組みをスタートさせた。

 2019年に開館した福田美術館は、琳派から始まり、円山応挙や長澤蘆雪などの円山四条派、伊藤若冲や与謝蕪村、近代の竹内栖鳳上村松園ら京都画壇まで、京都にゆかりのある作家の日本画を中心に、約2000点を所蔵する美術館として知られる。24年には、若冲の新発見絵巻《果蔬図巻》を公開し、大きな話題を集めたことは記憶に新しい。

 この福田美術館が新たに収蔵・公開したのが、いずれも屋外となる奈良美智《Long Tall Peace Sister, 2024》(2024)と、加藤泉《Untitled 》(2023)の2作品だ。

 奈良の《Long Tall Peace Sister, 2024》は、奈良が近年手がける大型立体作品のひとつ。高さは236センチにおよぶブロンズ製で、全身が白いウレタンによって覆われており、金属の重量感をまったく感じさせない柔らかな印象を与える。

奈良美智《Long Tall Peace Sister, 2024》(2024)の展示風景

 同作はこれまで別エディションがBLUM(ロサンゼルス)およびアムステルダム彫刻ビエンナーレにて展示されてきたが、本作は福田美術館のために制作されたエディション。日本では初公開となり、奈良の彫刻が関西の美術館で常設されるのもこれが初めてだ。

奈良美智《Long Tall Peace Sister, 2024》(2024)の展示風景