麻布台ヒルズに奈良美智の野外彫刻《東京の森の子》が登場。東京では初
11月24日開業の麻布台ヒルズ。その敷地内に、東京初となる奈良美智の野外彫刻《東京の森の子》が設置された。今後、同施設を象徴する作品となりそうだ。
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延床面積約86万1700平米という広大な敷地を有する麻布台ヒルズ(11月24日開業)。その中央広場に、奈良美智によるパブリック・アート《東京の森の子》が設置されている。
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同作は、木のような頭部を持つブロンズ像で、高さは約7メートル。奈良はこれまで同様の作品として《Miss Forest / 森の子》(青森県立美術館)、《森の子》(N’s YARD)などを手がけており、本作は「森の子」シリーズの8体目。シリーズ過去最大のサイズだ。奈良の野外彫刻が都内に常設されるのはこれが初めてとなる。
麻布台ヒルズは「Modern Urban Village」と「Green & Wellness」をコンセプトに掲げ、「自然との共生」を理念のひとつとしている。都心にありながらその緑地は約2万4000平米にもおよび、配された植物はじつに約320種を数える。この麻布台ヒルズにおいて、約6000平米の中央広場はシンボル的な場所であり、人々の交流や憩いの場となるオープンスペースだ。針葉樹を思わせる《東京の森の子》はここに立ち、周囲の緑と調和しながらも強い存在感を放つ。
奈良はウェブサイト「HILLS LIFE Daily」(運営=CINRA, Inc.、パートナー=森ビル)のインタビューのなかで、本作について次のようなコメントを残している。
「自分の創作の核に子ども時代があると先ほど言いましたが、特に思い出すのは夜、家の周りには街灯もなく、真っ暗な中で星だけが本当に綺麗だったこと。夏には家の屋根の上に上がって、ずっと流れ星を眺めていました。そのうち自分が真っ黒な宇宙に浮かんでいるような錯覚を覚え、宇宙人や、人間ではない何者かと交信できるんじゃないかと想像したり。星や、死んじゃったおじいさん、おばあさんに語りかけたりするのがすごく好きだったんです。そういう世界を託したのが《東京の森の子》です」(HILLS LIFE Dailyより)
美術館ではないオープンスペースに奈良美智の野外彫刻が設置されたことで、様々な人々が作品と関係を結ぶだろう。この広大な街を象徴するような作品になるに違いない。
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