滋賀・大津市の滋賀県立美術館による、琵琶湖北部の湖北地域を舞台にした新たな現代美術プロジェクト「Art Spot in Kohoku(ASK)」。その第1弾となるアーティストユニット・キュンチョメによる展覧会「キュンチョメ 100万年の子守唄」が、高島市勝野地区(通称・大溝)で開幕した。会期は4月19日まで。担当は同館学芸員の真山陽理子。

キュンチョメはホンマエリとナブチによるアーティストユニット。2011年の東日本大震災を機にアーティストとしての活動をスタートした。制作行為を「新しい祈り」ととらえるキュンチョメは、様々な社会問題や自然災害をテーマとする作品を発表。そこに関わる人々と正面から向き合うことで、複雑に絡まる感情や交錯する意見を反映させながら作品を展開させてきた。近年ではハワイやフィリピンに滞在し、現地での経験を創作に活かしている。2023年には美術館での初個展となる「魂の色は青」を富山の黒部市美術館で開催した。

「ASK」は、高島市、米原市、長浜市の3市を会場に、3年度にわたって展開されるシリーズ企画。各地域に根差した風景や歴史、生活文化と現代美術を接続することを目的としている。
高島市は、琵琶湖の西岸にあり、JR京都駅から湖西線で1時間ほど。今回会場となった大溝は市の南部に位置する、戦国自体に織田信長の甥・織田信澄によって築かれた城下町だ。古くから水路や内湖を利用したまちづくりが行われており、歴史ある街並みが残る。本展はこの街中にある旧福井盛弘堂、中田家住宅旧米蔵、林家住宅旧米蔵の3会場で行われている。

キュンチョメは本展を大溝で実施する意義について、次のように語った。「初めて大溝を訪れたとき、水に包容されている場所だと感じました。水は普段生活していると当たり前に存在するものですが、本来、水と出会うということは奇跡的なこと。この街を世界の『愛』である水を受け取ることができる場所ととらえ、『愛』を受け取るために鑑賞者が身体をチューニングできるような個展にしようと考えました。展示を見てチューニングした身体で、ぜひこの街を散歩し、あふれる愛を感じてほしいです。主役は私たちの作品ではなく、きっとこの街であり、街を通して自分たちが循環の一部であるということを意識してもらえれば」。









































