第6章 成熟に向けて
一時的な名声を失ってからも、ビアズリーは新たな支援者や仲間を得て、起死回生をはかった。本章では、『髪盗み』(1896)などの装丁や挿絵、ビアズリーが新たに立ち上げた前衛的な文芸雑誌『サヴォイ』(1896)に発表された多彩な作品から、その最後の輝き見ることができるだろう。

ビアズリーは肺結核を悪化させ、1898年春に他界する。会場の最後を飾るのは、遺作とされる『ヴォルポーネ』(ベン・ジョンソン著)のための頭文字「V」の版画だ。


5年半というわずかな活躍期間に、精力的に画業に取り組んだビアズリー。本展はその画業の全体像をたどれる機会となっている。



















