• HOME
  • MAGAZINE
  • NEWS
  • REPORT
  • 「異端の奇才―ビアズリー」(三菱一号館美術館)開幕レポート。…

「異端の奇才―ビアズリー」(三菱一号館美術館)開幕レポート。25年の生涯で1000点以上の作品を残した才を見る【7/7ページ】

第6章 成熟に向けて

 一時的な名声を失ってからも、ビアズリーは新たな支援者や仲間を得て、起死回生をはかった。本章では、『髪盗み』(1896)などの装丁や挿絵、ビアズリーが新たに立ち上げた前衛的な文芸雑誌『サヴォイ』(1896)に発表された多彩な作品から、その最後の輝き見ることができるだろう。

展示風景より、『サヴォイ』

 ビアズリーは肺結核を悪化させ、1898年春に他界する。会場の最後を飾るのは、遺作とされる『ヴォルポーネ』(ベン・ジョンソン著)のための頭文字「V」の版画だ。

展示風景より、手前はオーブリー・ビアズリー《財宝に夢中のヴォルポーネ》(1898)
展示風景より、オーブリー・ビアズリー《『ヴォルポーネ』の頭文字V》(1898)

 5年半というわずかな活躍期間に、精力的に画業に取り組んだビアズリー。本展はその画業の全体像をたどれる機会となっている。

編集部

Exhibition Ranking