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「異端の奇才―ビアズリー」(三菱一号館美術館)開幕レポート。25年の生涯で1000点以上の作品を残した才を見る【5/7ページ】

第4章 ワイルドの「サロメ」

 ビアズリーにとって大きな転機となったのが、同性愛の科によるワイルドの逮捕だった。これによりビアズリーも『イエロー・ブック』の美術編集から降ろされ、定収入を失うこととなった。

 ビアズリーにこうした大きな影響を与えたワイルドだが、実際に両者が親しかった期間は1年にも満たなかったという。ビアズリーの挿絵を「たちの悪い落書き」だと一蹴したこともあるワイルドは、本来どのような「サロメ」像を求めていたのか。

 この章では、「サロメ」以外のワイルドの著作全点の装丁を手がけた画家チャールズ・リケッツによる油彩画の《サロメ》(1925)が展示。またギュスターヴ・モローの名作《牢獄のサロメ》(1873〜76頃)をはじめとする多様な「サロメ」を展覧することで、ビアズリーによる大胆な「サロメ」との差異が浮かび上がらせている。

展示風景より、左がチャールズ・リケッツ《サロメ》(1925)
展示風景より、ギュスターヴ・モロー《牢獄のサロメ》(1873〜76頃)
展示風景より、アルフォンス・ミュシャ《サロメ》(1897)

編集部

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