映画『クリムト エゴン・シーレとウィーン黄金時代』が6月に公開。ウィーン世紀末文化を解き明かす

「クリムト展」と「ウィーン・モダン」展の開催によって注目を浴びているウィーンの世紀末文化。クリムトとシーレを中心にしながら、このウィーンの黄金時代にフォーカスしたドキュメンタリー映画『クリムト エゴン・シーレとウィーン黄金時代』が6月8日よりシネスイッチ銀座ほかにて公開される。

グスタフ・クリムト 接吻 1907-08 © Belvedere, Wien

 19世紀末ウィーンを代表する画家、グスタフ・クリムト(1862〜1918)とエゴン・シーレ(1890~1918)。このふたりを中心とし、ウィーン世紀末文化全体に焦点を当てたドキュメンタリー映画『クリムト エゴン・シーレとウィーン黄金時代』が、6月より公開される。監督は、映画『ヒトラーVS.ピカソ 奪われた名画のゆくえ』で美術を担当したミシェル・マリー。日本語ナレーションを俳優・柄本佑が担当した。

 クリムトとシーレの没後100年となった、2018年に製作された美術ドキュメンタリーである本作では、豊富な映像資料によって、クリムトとシーレが生きた19世紀末ウィーンに花開いたサロン文化と、愛と官能性に満ちた絵画をつまびらかに見せつける。

グスタフ・クリムト ©Archiv des Belvedere, Wien, Nachlass Ankwicz-Kleehoven

 クリムトやシーレの作品に共通する官能的な世界はなぜ生まれたのか。その社会的な背景を、クリムトの専門家アルフレート・ヴァイディンガーをはじめ、シーレ研究の第一人者である美術史家ジェーン・カリア、ノーベル生理学・医学賞受賞者のエリック・カンテルなど様々なスペシャリストたちが解き明かしていく。

 彼らの作品を堪能できるだけでなく、それらを取り巻く全体像を描いた本作。「クリムト展」「ウィーン・モダン」展とあわせて鑑賞することをお勧めしたい。

 

編集部

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