19世紀末ウィーンを代表する画家、グスタフ・クリムト(1862〜1918)とエゴン・シーレ(1890~1918)。このふたりを中心とし、ウィーン世紀末文化全体に焦点を当てたドキュメンタリー映画『クリムト エゴン・シーレとウィーン黄金時代』が、6月より公開される。監督は、映画『ヒトラーVS.ピカソ 奪われた名画のゆくえ』で美術を担当したミシェル・マリー。日本語ナレーションを俳優・柄本佑が担当した。
クリムトとシーレの没後100年となった、2018年に製作された美術ドキュメンタリーである本作では、豊富な映像資料によって、クリムトとシーレが生きた19世紀末ウィーンに花開いたサロン文化と、愛と官能性に満ちた絵画をつまびらかに見せつける。
クリムトやシーレの作品に共通する官能的な世界はなぜ生まれたのか。その社会的な背景を、クリムトの専門家アルフレート・ヴァイディンガーをはじめ、シーレ研究の第一人者である美術史家ジェーン・カリア、ノーベル生理学・医学賞受賞者のエリック・カンテルなど様々なスペシャリストたちが解き明かしていく。
彼らの作品を堪能できるだけでなく、それらを取り巻く全体像を描いた本作。「クリムト展」「ウィーン・モダン」展とあわせて鑑賞することをお勧めしたい。