美しさと開放感で満たされた館内
エントランスを抜けると目の前には吹き抜けの巨大なスペースが広がる。子供たちはモザイクが張り巡らされた床に彼らの身長の半分くらいある大きなブロックを並べて遊び、奥のカフェは親子連れでほぼ満席。天窓からは心地よい自然光が差し込んでいる。まるでプレイパークのようで、一瞬ここがミュージアムであることを忘れてしまいそうになる。
イースト・ロンドンのベスナル・グリーンに位置するヤングV&Aは、ヴィクトリア&アルバート博物館(V&A)によるイギリスで最初の子供たちのためのアートとデザイン、パフォーミングアートの博物館だ。美しく組まれた鉄骨に支えられたヴィクトリア時代の建物は開放的で、そこにぐるりと巡らされた2フロアの回廊が展示スペースとなっている。
改装を手がけたのはAOCアーキテクチャーとデ・マトス・ライアンだ。ギャラリーのデザインを担当したAOCアーキテクトは10ヶ月に渡ってオープンスタジオを設けてキューレターらミュージアムのスタッフのみならず、地域に暮らす家族や子供たち、学校の教職員らのアイデアに耳を傾けながら作業を進めていったという。