EXHIBITIONS

没後120年 エミール・ガレ:憧憬のパリ

2025.02.15 - 04.13

エミール・ガレ ランプ「ひとよ茸」 1902年頃 サントリー美術館

 サントリー美術館で「没後120年 エミール・ガレ:憧憬のパリ」が開催される。

 エミール・ガレ(1846〜1904)はフランス北東部ロレーヌ地方の古都ナンシーで、父が営む高級ガラス・陶磁器の製造卸販売業を引き継ぎ、ガラス、陶器、家具において独自の世界観を展開した。そのいっぽう、ガレ・ブランドの名を世に知らしめ、彼を国際的な成功へと導いたのは首都パリだった。

 父の代からその製造は故郷ナンシーを中心に行われたが、ガレ社の製品はパリのショールームに展示され、受託代理人などを通して富裕層に販売。1878年、89年、1900年には国際的な大舞台となるパリ万国博覧会で新作を発表し、とくに89年の万博以降は社交界ともつながりを深めた。

 ガレの没後120年を記念する本展では、ガレの地位を築いたパリとの関係に焦点をあて、ガレの創造性の展開を顧みる。フランスのパリ装飾美術館から万博出品作をはじめとした伝来の明らかな優品が多数出品されるほか、近年サントリー美術館に収蔵されたパリでガレの代理店を営んだデグペルス家伝来資料を初公開する。ガレとパリとの関係性を物語る、ガラス、陶器、家具、そしてガレ自筆文書などの資料類、計110件を通じて、青年期から最晩年に至るまでのガレの芸術世界を展覧する。

※会期中展示替えあり