パブリック・アートプログラム「APK PUBLIC」
1階〜2階を高さ約16メートルの巨大な吹き抜け空間のエントランスロビーとその吹き抜け空間を取り囲む回廊(アートコリドー)には、「ART POWER KYOBASHI」の核となるパブリックアート・プログラム「APK PUBLIC」が展開される。オフィステナントのワーカーだけでなく一般来館者もアクセス可能な共用スペースに作品を展開することで、誰もが気軽にアートに触れる機会を提供するものだ。恒久設置ではなく更新性を持たせることでビルの雰囲気に変化を与え、来街するリピーターも呼び込みたい考えだ。
第1回目のパブリックアート・プログラムは、国内外で活躍するキュレーター・飯田志保子を迎え、「APK PUBRIC Vol.1 螺旋の可能性──無限のチャンスへ」をテーマに、野田幸江、毛利悠子、小野澤峻、そして持田敦子の作品が2026年3月までの約1年半にわたって展示される。
持田は間口が約120メートルにおよぶ広場(アートスクエア)と館内エントランスの吹き抜けに、本展を象徴するような螺旋階段の巨大作品《Steps》を展示。機能から解放された螺旋階段の曲線は繊細でありながらダイナミックだ。なお、作品の一部は実際に上ることもできる。
毛利は、国立科学博物館に収蔵されている「地震動軌跡模型」をモチーフとしたこれまでにない4点の彫刻作品を制作。地球のエネルギーがポップな色のパイプによって表現された。
野田は、2年間にわたり京橋エリアをフィールドワークし、同地域で入手した素材をもとに3つの作品を構成。都市の生態系が集積した力作だ。
小野澤の《演ずる造形》(2024)は6つの球体が一定の速度でずれながら振り子のように揺れ動く作品で、キネティック・スカルプチャーであると同時にパフォーマンスアートとしての要素も持つ。
「ART POWER KYOBASHI」ではこのパブリック・アートのほか、ラーニングプログラム「APK STUDIES」も展開することで、アートにつながる新たなコミュニティ形成を目指す。