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「発酵文化芸術祭 金沢―みえないものを感じる旅へ―」レポート。「発酵」をテーマにしたアートで金沢を感じる【3/6ページ】

野町-弥生エリア:四十萬谷本舗、元印刷所、中初商店

 石川名物「かぶらずし」の代表的な蔵・四十萬谷本舗(しじまやほんぽ)をはじめ、道にも酢の香りが漂い、昔からの店の構造を保つ醤油蔵などが並ぶエリアはまさに「発酵ストリート」。ここでは、パリ在住の作家・翻訳家である関口涼子が、「記憶」と「言葉」をつなぐ体験型のインスタレーションを提供する。

四十萬谷本舗外観

 まず四十萬谷本舗で、金沢に関わる様々な人の「匂いの記憶」を映像で体感。そこからかつて印刷所兼住居だった空き家へ。内部の小部屋で、近隣の今川酢造の酢の匂いと3分間向き合い、喚起された記憶から言葉を紡ぐ。「天祐醤油」の蔵・中初商店では、焦がし麦やもろみ、醤油のかおりや味を体験したのち、店内の戦時中に作られた防空壕に下り、置かれた引き出しから発酵にまつわる言葉を持ち帰る。匂いから喚起される記憶、それを文字にする試み、そして持ち帰る言葉。「みる」よりも、他の器官を使った作品へのアプローチは、ひるがえって強い記憶として刻まれることだろう。

四十萬谷本舗の展示風景より
元印刷所の展示風景より、関口涼子《発酵する言葉》
撮影=池田紀幸
中初商店の地下防空壕。任意の引き出しから発酵にまつわる言葉を持ち帰ることができる

編集部

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