「森の芸術祭 晴れの国・岡山」見どころレポート【6/6ページ】

満奇洞(まきどう)・井倉洞(いくらどう)

 本芸術祭でももっとも特徴的な会場が、2つの鍾乳洞「満奇洞」と「井倉洞」だろう。ともにスニーカーや汚れてもいい服装での鑑賞がおすすめ。

満奇洞

 与謝野鉄幹・昌子夫妻が訪れた際、「奇に満ちた洞」と詠んだことから満奇洞と呼ばれるようになったこの場所では、蜷川実花 with EiMが大規模インスタレーション《深淵に宿る、悲願の夢》を展開。青い光に導かれ、鍾乳洞を進んでいくと、その先には数百本の彼岸花が咲き誇る赤い空間へとたどり着く。自然がつくりあげた驚異的な空間と作品があわさることで、この場所をより一層神秘的なものにしている。

蜷川実花 with EiM《深淵に宿る、悲願の夢》の展示風景
蜷川実花 with EiM《深淵に宿る、悲願の夢》の展示風景

井倉洞

 いっぽうの岡山県指定天然記念物の井倉洞では、アルバニア出身のアンリ・サラが新作《未来はかすかに響く歌》を展開する。全長1200メートル、高低差90メートルというこの鍾乳洞。鑑賞者は作品のために必要な特殊なリュックを背負い、中に入っていく。リュックからは様々なサウンドが流れ、それがトリガーとなりライトがインタラクティブに反応。鑑賞者も作品の一部となるような作品だ。長い洞窟の最終地点がクライマックスとなり、そこには映像作品が投影されている。

編集部

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