「森の芸術祭 晴れの国・岡山」見どころレポート【4/6ページ】

奥津エリア

奥津渓

 秋には紅葉の名所となる鏡野町・奥津渓には、立石従寛によるインスタレーション《跡》が展示された。吉井川の流れる音や木の葉がそよぐ音、動物や虫たちの鳴き声にインスピレーションを受けた本作。岩場には川の岩場を3Dスキャンし、低ポリゴン化した鏡面のオブジェが立ち、周囲の景色と鑑賞者の姿を取り込む。周囲には5つのスピーカーからは、山の生き物、海の生き物の声が響く。周囲とリニアにつながる川のスケールを想像させるものだ。じっくりと時間をとって鑑賞することをおすすめしたい。

展示風景より、立石従寛《跡》

奥津振興センター

 奥津振興センターの芝生エリアには、台湾のジェンチョン・リョウによる《山に響くこだま》が設置された。リョウが日本で初めて手がける本作は、鏡野町のシンボルである野鳥・ヤマセミをモチーフにしたもので、高さ6.5メートルのサイズではあるものの、ステンレスルーバーを使用することで軽やかな印象を与えている。またその内部にはコブシの木が植えられており、光と風を取り込むことで育ち、周囲の自然とつながっていく。終了後も常設されため、この地域のシンボルになりそうだ。

展示風景より、ジェンチョン・リョウ《山に響くこだま》

編集部

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