「柳宗悦が出会った沖縄の美 琉球の民藝」(日本橋髙島屋S.C.)開幕レポート。「用の美」の原点を沖縄の民藝に見る【3/3ページ】

沖縄に影響を受けた民藝運動家たち

 展覧会後半の第4章「琉球の風物」では、沖縄の暮らしや芸能のあり方にフォーカス。続く章では、芹沢や河井、濱田ら民藝運動の作家、そして戦後の表現者たちが、いかに琉球民藝の影響を受け自らの作風へ反映させたかをたどる。沖縄の紅型が表現の原点となった芹沢による「型絵染」作品や、伝統的な窯場・壺屋に学んだ河井や濱田の作品も見どころだ。

第4章「琉球の風物」の展示風景。芝居幕や衣裳など琉球舞踊にまつわる工芸品が並ぶ

 本展は、琉球の文化がいかに民藝運動の根底と結びついていたかを、あらためて実感させる構成となっている。エピローグでは、戦後の沖縄で伝統的な織物を復興させた女性たちの作品も紹介。首里城正殿の再建とも重なるように、戦禍や幾多の試練を乗り越え、沖縄がいかに伝統を守り継いできたかという歴史にもスポットを当てている。

第5章「沖縄と民藝運動の作家たち」より、芹沢銈介による型染の作品群
手前は河井寬次郎《白掛線彫葉文角扁壺》(1939)
濱田庄司《鉄絵共手土瓶》(1941)。さとうきびをモチーフとした「黍文様」は濱田のトレードマークでもある

 なお、会場内の映像コーナーでは、戦前の沖縄の風景や暮らし、芸能が息づく風土を伝える文化映画『琉球の民藝』を上映。出口付近では展示・即売を行う「民藝展」も併設されているため、鑑賞の余韻とともに立ち寄ってみてはいかがだろうか。

編集部