「柳宗悦が出会った沖縄の美 琉球の民藝」(日本橋髙島屋S.C.)開幕レポート。「用の美」の原点を沖縄の民藝に見る【2/3ページ】

民藝に宿る人々の暮らし

 続く第2章では「琉球の織物」を取り上げる。柳が訪れた1938年当時、現地で琉球織物は「時代遅れ」とみなされつつあった。しかし柳はその美しさを見抜き、熱心に蒐集を続けたという。会場には絣(かすり)や芭蕉布をはじめとする代表的な織物が並び、生活に根ざした布の多様性と織文化の広がりを俯瞰できる。素材となる植物の採取から布へと仕立てるまでの、琉球の人々の営みも感じ取れる展示だ。

第2章「琉球の織物」より、左から《生成地経緯絣衣裳》(20世紀)芭蕉、《灰色地経縞経絣衣裳》(19世紀)芭蕉
《灰色地経縞経絣衣裳》(部分、19世紀)
様々な織りの技法があることも資料からうかがえる

 第3章では「琉球の焼物」に注目する。琉球の焼物は、白土で化粧掛けをして釉薬や絵付けを施す「上焼(ジョーヤチ)」と、釉薬を使わず焼き締める「荒焼(アラヤチ)」に大きく分けられる。ここでは、これらの手法でつくられた酒壺や抱瓶(だちびん)、皿や鉢など日常の器を展示。陶工たちが培った素朴で力強い造形と、風土が育んだ土の美を伝えている。

 なかでも会場中央に鎮座する「骨壺」は見事な存在感だ。独自の葬送習俗と死者への祈りが込められた意匠に目を奪われる。また、同空間の天井から吊り下げられたバナーには、柳の著書から抜粋された琉球にまつわる言葉が配されており、作品とあわせて楽しみたい。

第3章「琉球の焼物」より、「上焼(ジョーヤチ)」の焼物。手前は河井寬次郎が型を用いて製作されたと考えられる《白掛呉須飴点打角瓶》(1939頃)
「荒焼(アラヤチ)」の焼物。《焼締按瓶》(19世紀)

編集部