2026年上半期、世界の主要オークションハウスであるクリスティーズ、サザビーズ、フィリップスが相次いで業績を発表した。3社はいずれも前年同期を大きく上回る売上高を記録し、2023〜24年にかけて続いた市場の減速局面から、本格的な回復局面へ移行しつつあることを印象づけた。大型コレクションの出品が相次いだことに加え、プライベートセールやラグジュアリー部門の拡大、新規顧客の獲得などが共通した成長要因となっている。
大型コレクションが牽引したクリスティーズ
世界最大手のクリスティーズは、2026年上半期の総売上高(オークションとプライベートセールを含む)45億ドル(約7313億円)を記録。オークション売上は35億ドル(約5688億円)で前年同期比71パーセント増、プライベートセールも10億ドル(約1625億円)を突破し、過去5年間で最高の上半期となった。オークションの落札率は91パーセントまで上昇し、価格帯を問わず堅調な需要が続いたという。
今年の象徴的な成果となったのが、ニューヨークで開催された故S.I.ニューハウス・コレクションのセールだ。同コレクションは総額6億3080万ドル(約1025億円)を記録し、ジャクソン・ポロック《Number 7A, 1948》が1億8120万ドル(約294億円)、コンスタンティン・ブランクーシ《Danaïde》が1億760万ドル(約175億円)、マーク・ロスコ《No.15 (Two Greens and Red Stripe)》が9840万ドル(約160億円)で落札された。いずれも今年のオークション市場を代表する高額落札作品となり、クリスティーズは2026年上半期のオークション高額作品トップ3を独占した。

カテゴリー別では20・21世紀美術が23億1300万ドル(約3759億円、前年比79パーセント増)と引き続き市場を牽引したほか、オールドマスター部門は前年比232パーセント増、クラシックス部門も168パーセント増と大きく伸長。オンラインセールでも2万〜10万ドル帯の作品が好調で、新規顧客の63パーセントがオンライン経由だったことも特徴として挙げられている。
サザビーズは史上最高の上半期に
いっぽう、サザビーズは総売上高44億ドル(約7150億円、前年比58パーセント増)を記録し、同社史上最高の上半期業績を更新した。オークション売上は34億ドル(約5525億円)、プライベートセールは8億2600万ドル(約1342億円)でともに過去最高。落札率90パーセントは少なくとも2010年以降で最高水準となり、119ヶ国の顧客が170件のオークションに参加するなど、グローバルな顧客基盤の広がりも鮮明となった。

ファインアート部門では、ニューヨークの春シーズンセールが9億860万ドル(約1477億円)、落札率92.5パーセントを達成。ロンドンでは「ルイス・コレクション」が4億620万ドル(約660億円)を記録し、英国史上最高額のシングルオーナーセールとなった。また、新本社ブロイヤー・ビルで開催されたデザインオークションでは、クロード・ラランヌによる鏡の作品が作家最高額(3350万ドル)を更新したほか、オールドマスター部門ではレンブラントの素描が記録(1800万ドル)を更新するなど、多様なカテゴリーで成果を上げている。
また、RMサザビーズによるクラシックカー部門は前年比61パーセント増、時計部門は64パーセント増を記録し、香港時計オークションはアジア史上最高額(5290万ドル)を更新。ワインやウイスキー、不動産などラグジュアリー分野全体でも高い成長率を示した。
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