今年7月7日〜9日の会期で開催される国際的なアートフェア「Tokyo Gendai」が、新たに追加されるプログラムの詳細を発表した。
同フェアは、40以上の海外ギャラリーが出展する、これまでにない国際的なアートフェアだ。国内外の主要ギャラリーが集結する「Galleries」のほか、テーマに沿った作品を展示する「Hana(花)」「Eda(枝)」「Tane(種)」などのセクションで構成。ここに、新セクションとして日本現代作家の作品が揃う「TSUBOMI」が加わることとなった。
女性作家に特化した新セクション「TSUBOMI」
「TSUBOMI」セクションでは、笠原美智子(アーティゾン美術館副館長)と山田裕理(東京写真美術館学芸員)のキュレーションによる「Life Actually: The Work of Contemporary Japanese Women Artists」展を開催。イケムラレイコ(シュウゴアーツ)、米田知子(シュウゴアーツ)、山元彩香(amanaTIGP)、杉浦邦恵(Taka Ishii Gallery)、長島有里枝(MAHO KUBOTA GALLERY)を含む、日本を代表する女性アーティストたちの作品を紹介し、ギャラリーの枠を超えた相乗効果を生み出すことを目指すという。
笠原と山田はこの試みについて、「日本のシステムは未だ旧態依然ですが、女性作家たちは、日常の個人的な経験や記憶をもとに様々なイマジネーションを拡げる素晴らしい作品を制作しています。国際アートフェアで展覧会を開催することで、彼女たちの問いが響き合う新鮮な空間が生まれ、ギャラリーの垣根を超えて、併設した作品同士の相乗効果がうまれることでしょう」と期待を寄せている。
各芸術文化財団のショーケースやアート関係者によるトークセッションも
もうひとつ新セクションとして加わったのが、国内の芸術文化財団による特別ショーケースを楽しめるセクション「NE」だ。
同セクションでは、日本を代表する芸術文化財団である大林財団、福武財団、吉井財団、小田原文化財団、タグチアートコレクションが参加。大林財団は、都市開発や未来の都市づくりのあり方に関心を寄せるアーティストや思想家、研究者の支援について紹介し、福武財団は、直島、豊島、犬島を舞台に展開しているアート活動「ベネッセアートサイト直島」における取組を紹介する予定だ。また吉井財団は、ライゾマティクスを主宰するアーティスト・プログラマ・DJ、真鍋大度の作品を展示。杉本博司によって設立された小田原文化財団は、同財団の拠点である江之浦測候所を紹介し、タグチアートコレクションは小中学校を対象としたデリバリー展覧会など、子供を対象とした事業を紹介するという。
このほか、会期中にはオランダ・アムステルダムを拠点に活動するピアニスト・アーティストの向井山朋子が、新作インスタレーション・パフォーマンス『figurante』を、7月7日~9日に天王洲の寺田倉庫で発表。彫刻家の大平龍一は新作大型インスタレーション《The Circuit》をフェア会場で展示する。
また、会期中には片岡真実(森美術館館長)、大林剛郎(大林組取締役会長、大林財団理事長)、南條史生(森美術館特別顧問、十和田市現代美術館総合アドバイザー、弘前れんが倉庫美術館特別館長補佐、アーツ前橋特別館長)、名和晃平(彫刻家)をはじめとするアート関係者が参加するトークセッションを開催。国内外における現代アート業界のトレンドや社会情勢にみるアートのあり方など、多岐にわたるテーマを議論する場となる。
なお、Tokyo Gendaiのオフィシャルフェアパートナーである寺田倉庫では、フェア期間中Tokyo Gendaiと連携し、天王洲アイルで特別イベント「TENNOZ ART WEEK」を開催。7月7日には複数のプログラムが行われ、TERRADA ART COMPLEX でのナイトタイム特別営業「ギャラリーナイト」や一般社団法人日本現代美術商協会(CADAN)主催による展覧会「CADAN:現代美術2023」などが行われる。