フィリップスと北京・ポリーの共同セールが約99億円の売上高を記録。全品落札で17作家がオークションレコードを更新
6月7日から8日にかけてフィリップスが北京のポリーインターナショナルオークションと共同開催した「20世紀・現代アート&デザインセール」が、合計約7億200万香港ドル(約99億円)の売上高を記録し、すべての出品作が落札された。
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フィリップスが北京のポリーインターナショナルオークションと共同開催した「20世紀・現代アート&デザインセール」が、合計約7億200万香港ドル(約99億円)の売上高を記録し、すべての出品作が落札される「ホワイトグローブ」セールを実現した。
2日間にわたるこのセールには45ヶ国から800人以上の入札者が参加。昨年12月に初めてポリーと共同開催したセールと比べて、売上高は40パーセント増となり、オンラインでの参加者数も2倍となった。
6月8日に行われたイブニングセールでは、4億9182万香港ドル(約69億円)の売上高を達成。同セールのハイライト作品である奈良美智の《Missing in Action》(2000)は約1億2400万香港ドル(約17億5000万円)で落札され、奈良作品のオークションにおける過去2番目の高額を記録した。また、ゲルハルト・リヒターの《Astraktes Bild(940-7)》(2015)は9510万香港ドル(約13億4200万円)で競り落とされ、リヒターが2000年以降に制作した作品のなかでもっとも高い価格となった。
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特筆すべきは、1235万香港ドル(約1億7400万円)で落札されたエミリー・メイ・スミスの《Broom Life》(2014)だ。最高予想落札価格60万香港ドルの20倍以上の価格で落札された同作は、スミスの前オークション記録の約4倍を超えている。また、先月サザビーズ・ニューヨークのセールでオークション記録を更新したサルマン・トゥールの《Girl with Driver》(2013)は、最高予想落札価格の3倍以上となる690万香港ドル(約9700万円)で落札され、アーティストの新たなオークション記録を樹立した。
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そのほか、イブニングセールではロイ・ ホロウェル、ジェイド・ファドユティミ、ベルナール・フリズの作品も予想落札価格をはるかに上回る価格で落札され、それぞれのオークション記録を更新した。
いっぽう、7日に開催されたデイセールでは、開催前の最低予想落札価格の約3倍となる約2億1000万香港ドル(約30億円)の売上高を達成し、88パーセントの作品が最高予想落札価格を上回る価格で落札された。
そのうち、ロッカクアヤコ、塩田千春、サーニャ・カンタロフスキー、マデリン・グリーン、キャサリン・バーンハート、アリソン・ズッカーマン、ミヤ・アンドウの7人の女性アーティストを含む12人のアーティストが新たなオークション記録を更新した。
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今回の結果についてフィリップス・アジアのチェアマンであるジョナサン・クロケットは、アジアのコレクターが近代・現代美術に対する強い需要を反映したものだとしつつ、「今シーズンのオークションはもっとも多様性に富んだもので、20世紀と21世紀の優れた作品を出品し、素晴らしい結果を残すことができた。この勢いは2021年を通して続くと確信している」とコメントしている。