「NCAR×AWARE 女性アーティスト リサーチフェローシップ」第1回採択フェローに小田原のどか、山田裕理が決定

「NCAR × AWARE 女性アーティスト リサーチフェローシップ」の2026年度(第1回)フェローシップ採択者が、小田原のどか、山田裕理に決定した。

NCAR×AWARE 女性アーティストリサーチフェローシップ 採択された2名のフェロー 左から小田原のどか、山田裕理

 国立アートリサーチセンター(NCAR、センター長:田中正之)と、AWARE: Archives of Women Artists, Research and Exhibitions(ディレクター:カミーユ・モリノー)による、日本における女性アーティスト研究を推進するための「NCAR × AWARE 女性アーティスト リサーチフェローシップ」。その2026年度(第1回)フェローシップ採択者が小田原のどか、山田裕理に決定した。

女性彫刻家と女性写真家に光を当てる

 小田原は1985年宮城県生まれの彫刻家、評論家、版元主宰、芸術学博士。国際芸術センター青森[ACAC]、つなぎ美術館(熊本)、塩竈市杉村惇美術館などで個展を行う。令和6年宮城県芸術選奨新人賞を受賞。主な単著に『近代を彫刻/超克する』(講談社、2021)『モニュメント原論:思想的課題としての彫刻』(青土社、2023)、編著に『この国(近代日本)の芸術:〈日本美術史〉を脱帝国主義化する』(山本浩貴との共編、月曜社、2023)など。表現の現場調査団メンバーであり、横浜国立大学教員も務める。

 今回のフェローにおいて小田原は、岡山出身の女性彫刻家である久原濤子(1906~94)、太田嘉女野(1903〜86)の2名を研究対象とし、これまで周縁化されてきた近代日本における女性彫刻家の活動に光を当てるとともに、彼女たちが直面した制度的・社会的制約に着目することで、地域固有の歴史とともに美術史を再検証する。

 山田は東京都写真美術館学芸員。専門分野は近現代写真史。IZU PHOTO MUSEUM学芸員を経て、現職。主な企画展に「フィオナ・タン アセント」(2016)、「記憶は地に沁み、風を越え 日本の新進作家 vol.18」(2021)、「本橋成一とロベール・ドアノー 交差する物語」(2023)、「ルイジ・ギッリ 終わらない風景」(2025)など。そのほか、「愛について アジアン・コンテンポラリー」(2018)を笠原美智子と、「リバーシブルな未来 日本・オーストラリアの現代写真」(2021)をナタリー・キングと共同企画している。

 山田は、明治期を中心に昭和前期までに活動した女性写真家に関する展覧会・文献調査を通じて、その評価および研究の現状を整理。島隆、塙芳埜、山本古登女を主要事例とした一次資料の研究を通して、女性写真家の写真実践が近代日本の写真文化の形成に果たした役割を明らかにする。

 なお、本フェローシップは、日本国内に居住または滞在する研究者・キュレーター等を対象とし、視覚芸術分野で活躍し、日本に所縁を有する女性アーティスト(自身の性認識が女性又はノンバイナリーであるアーティスト)に関する研究を支援するものだ。研究機関は原則1年間。研究課題1件あたり上限5000ユーロの研究費が支給されるほか、採択された研究成果(研究論文など)は、NCARおよびAWARE公式ウェブサイトにて2027年夏以降に公開を予定している。

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