宮城・仙台市のせんだいメディアテークの館長に、2025年4月、日本文学研究者で早稲田大学特命教授のロバート・キャンベルが就任する。2013年より館長を務めてきた、哲学者で大阪大学と京都大学の名誉教授・鷲田清一の後任。
ロバート・キャンベルは1957年ニューヨーク市生まれ。カリフォルニア大学バークレー校卒業。ハーバード大学大学院東アジア言語文化学科博士課程修了。1985年に九州大学文学部研究生として来日し、同学部専任講師、国立・国文学研究資料館助教授、東京大学大学院総合文化研究科助教授、同研究科教授、国文学研究資料館館長などを歴任。文学博士。日本本文学研究者。早稲田大学特命教授。早稲田大学国際文学館(村上春樹ライブラリー)顧問。東京大学名誉教授。近世・近代日本文学が専門で、とくに19世紀(江戸後期~明治前半)の漢文学と、それに繋がる文芸ジャンル、芸術、メディア、思想などに関心を寄せている。
せんだいメディアテークは2001年に開館。ギャラリー、図書館、映像・音響ライブラリー、目や耳が不自由な人々への情報提供サービスを主な機能とする美術や映像文化の活動拠点であると同時に、すべての人が様々なメディアを通じて自由に情報のやりとりを行い、使いこなせるように助力する公共施設でもある。全面ガラス張りの建物は、建築家・伊東豊雄による設計。館内では、美術・映像・メディアに関する展覧会や上映会、ワークショップなどが開催される。
就任理由について仙台市は次のようにコメントを発表している。
「仙台・東北に息づく文化やアート活動を支え、地域、そして世界とつなぐ節点(ノード)としての役割をいっそう果たしていくため、多様な文化への深い理解とともに、国際的な経験や発信力を持つキャンベル氏に館長就任をお引き受けいただくものです」(発表資料より)