中島晴矢は1989年神奈川県生まれ東京都在住の作家であり、多様な場と人との領域を横断しながら活動。近年は”散歩”を通して、都市と身体のとらえ直しを試みながら作品制作と発表を行っている。
仙台での初個展となる本展は、東日本大震災の被災地である荒浜と、仙台市街の二ヶ所が舞台。その二ヶ所を繋ぐために、島崎藤村『若菜集』(1897)とそこに収められている荒浜をうたった詩「潮音」が登場する。
かつて荒浜に設置され、いまは震災遺構として市街地に移された「潮音」の詩碑は、市街地と荒浜といった空間だけでなく、過去と現在の時間をも繋いでいる。120年前と、6年前と、それぞれで聞こえていたものはいまどのように響くのか。2017年の仙台で潮のうねり(=SURGE)を、映像などのインスタレーションによって構成する。
なお会期中にはゲストを招いてのアーティストトークも予定されている。