瀬尾夏美は1988年生まれ、東京藝術大学大学院修士課程絵画専攻修了。2012年から映像作家・小森はるかと共に岩手県陸前高田市に移住し、東北の風景や人々の言葉の記録を軸に、絵画作品やテキストの発表、ワークショップや対話の場の企画を続けてきた。主な展覧会に「クリテリオム91」(水戸芸術館、2015)、ヨコハマトリエンナーレ2017(横浜美術館・赤レンガ倉庫、2017)などがある。
今回の個展「風景から歌」では、震災後に街で聞いた言葉や、そこで営まれる暮らしの様子から瀬尾が創作した3つの物語『二重のまち』『飛来の眼には』『みぎわの箱庭』を、絵画やドローイング、テキストによって構成。
例えば『二重のまち』は、「2031年、どこかで誰かが見るかもしれない風景」という副題を持つ短編の物語。実際に瀬尾が街の人々から聞いた話を元にしながらも、それをフィクションとして抽象化することで共有の可能性をさらに広げている。
なお、会場近くの「東北リサーチとアートセンター」では、瀬尾のテキストのみを展示する個展「あわいゆくころ」が同時開催される。同展の会期は2019年1月11日~2月11日。