バットシェバ舞踊団『Venezuela―ベネズエラ』が彩の国さいたま芸術劇場で上演。芸術監督としてのオハッド・ナハリン最後の作品
イスラエルを代表するコンテンポラリー・ダンス・カンパニーのバットシェバ舞踊団。振付家オハッド・ナハリンが、およそ30年にわたって務めたその芸術監督として最後の演出・振付を行った作品『Venezuela―ベネズエラ』が、彩の国さいたま芸術劇場で2020年3月13日〜15日に上演される。
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バットシェバ舞踊団は、イスラエルを代表する世界的なコンテンポラリー・ダンス・カンパニー。1964年にマーサ・グラハムを芸術アドバイザーに迎え、バロネス・バットシェバ・ド・ロスチャイルドによって創立された。
振付家オハッド・ナハリンが芸術監督に就任したのは90年。ナハリンはその創作活動を通して、独自の動きのテクニック「GAGA(ガガ)」を考案。冒険的なビジョンと独特の振付言語で約30年にわたってカンパニーを牽引し、2018年にバットシェバ舞踊団の芸術監督を退任した。
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そんなナハリンが芸術監督として最後に手がけた作品『Venezuela―ベネズエラ』が、彩の国さいたま芸術劇場で2020年3月13日~15日に上演される。
17年に初演が行われ世界各地で反響を呼んでいる同作は、今回が日本初公開。『LAST WORK―ラスト・ワーク』(彩の国さいたま芸術劇場ほか、2017)以来、3年ぶりの来日公演となる。
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舞台を駆け巡るダンサー達がパワフルかつ繊細な動きを放ち、ラテンダンスの要素も取り込んだ『Venezuela―ベネズエラ』。特定の国を想起させるタイトルについてナハリンは「地球儀を回してたまたま触れた場所だった」とコメントし、その全貌は謎に包まれながらも、演劇性をはらんだ同作は観客に多くを語りかける。
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サウンドトラックを手がけるのは、ナハリン自身の別名であるマキシム・ワラット。厳かなグレゴリオ聖歌やボリウッド映画音楽、ラップにいたるまで、特定の地域にとらわれず時代や文化を横断する多様な音楽が用いられる。ナハリンが探求する音楽とダンスの関係性は予想を超えた手法で展開し、一人ひとりの物語が立ち上がっていく。
世界のコンテンポラリー・ダンス界を牽引しながら飽くなき探究心を持ち、ダンスに挑戦し続けるナハリン。その情熱と想像力がつくり出す、渾身の舞台に注目したい。
※2020年2月23日追記
新型コロナウイルスの影響で、本公演の中止が決定。関連企画のワークショップも開催中止となる。詳しくはこちらから