今年3月、スターダンサーズ・バレエ団により14年ぶりに上演されて好評を博した『緑のテーブル』が、2020年3月13日より東京芸術劇場のプレイハウスにてアンコール上演される。
『緑のテーブル』は、天才舞踊家ピナ・バウシュの師匠でもある振付家クルト・ヨースの代表作。「反戦」をテーマに、兵士の出征や戦闘、残された家族の葛藤、戦争利得者の暗躍など、戦争のあらゆる側面を描いた風刺劇で、1932年のパリ国際舞踊コンクールでは一等を受賞。舞踊史に残る傑作と評されている。
演じるのは、日本で唯一『緑のテーブル』の上演権を持つスターダンサーズ・バレエ団。シンプルなステージながらも、2台のピアノによる迫力の生演奏と、細部までこだわり抜いた構成によって、観客の感性を刺激する。
この上演を前に、11月18日には東京・外苑前のスターダンサーズ・バレエ団スタジオにて、特別解説イベント「『緑のテーブル』講座」も開催。スターダンサーズ・バレエ団総監督の小山久美をスピーカーに、クルト・ヨースの振付に隠された意図や、キャスティングにおけるルールなどを紹介。また、参加ダンサーによるトークに加え、過去公演の貴重な映像や、舞台で実際に使用される小道具など、間近で見る機会の少ない資料も展示される予定だ。今年の公演に訪れた人も、まだ観たことのない人も、作品への理解を深め、よりいっそう公演を楽しめる内容となっている。
名作バレエ『緑のテーブル』の貴重なアンコール公演。11月の特別イベントに始まり、12月には写真展の開催も予定されており、35分のステージに込められた作品のメッセージを、余すことなく楽しむには欠かせないイベントも目白押しだ。
なお今回も前回と同様、ジョージ・バランシンが振付をした『ウェスタン・シンフォニー』が併せて上演される。