美術館やギャラリーが続々とオープンし、東アジアのアートシーンの中心地となりつつある上海。ここに、元燃油タンクを転用した巨大な美術館「上海油罐芸術中心(TANK Shanghai)」が3月23日に開館する。
中国の現代美術コレクター・喬志兵(チャオ・ジービン)が設立した同館は、上海・西岸(ウェストバンド)エリアにある航空機用の元燃油タンクをリノベーションしたもの。6万平米におよぶ敷地には、5つの「タンク」を中心に、複数の展示スペースや公園、書店、教育センター、レストランなどがある。
2013年以来、毎年「ARTnews」によって「世界のトップ200コレクター」に選出されている喬。15年には同エリアに展示スペース「QIAO SPACE」をオープンし、これまでマシュー・デイ・ジャクソンやマーティン・クリード、マット・サンダースなどの作家の個展や、コレクション展など多彩なプログラムを行ってきた。
上海油罐芸術中心のこけら落としでは、チームラボの「teamLab: Universe of Water Particles in the Tank」展、アルゼンチンのアーティスト、アドリアン・ビジャール・ロハスの個展「Sometimes you wonder, in an interconnected universe, who is dreaming who?」、そして13人の中国人アーティストによるグループ展「Under Construction」が同時に開催される。
タンク5号機で行われるチームラボ展では、鑑賞者の行動を受けながら変容し続ける新作のインスタレーション《Universe of Water Particles in the Tank, Transcending Boundaries》や《Black Waves: 埋もれ失いそして生まれる》《永遠の今の中で連続する生と死II》などいずれも新作が展示。
また不完全や未完成をテーマにした「Under Construction」展には、徐震(シュー・ジェン)、丁乙(ディン・イ)、何翔宇(へ・シャンユ)、楊福東(ヤン・フードン)といった現在中国を代表するアーティストによる作品が集結する。