規模拡大で注目のアートフェア「ウェストバンド・アート&デザイン」が上海で開幕。気になる見どころは? (後編)
中国本土最大級のアートフェアとして、年々存在感を増すアートフェア「ウェストバンド・アート&デザイン」。その5回目が11月7日に開幕した。43の国と地域から115のギャラリーが参加した今回の見どころを、前後編でお届けする。後編はホールNとパブリック・アートプログラム、そして周辺のギャラリー情報を紹介。
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前編ではアートフェア「ウェストバンド・アート&デザイン」のメインホールであるホールAを紹介した。この後編では、もうひとつの会場であるホールNの概要から見ていこう。
ホールNが完成したのは、会期直前の9月。ホールは3つの巨大なテントが連なって構成されており、それぞれが中庭と大屋根で緩やかにつながっている(中庭には休憩スペースがあるのも広いフェア会場を回るうえで大きなポイントだ)。
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ホールNの出展ギャラリーは地元中国をはじめとするアジア勢が目立つ。
なかでも上海を中心に北京やシンガポールなどアジア4ヶ所でスペースを展開するShanghARTは、現代中国を代表するポップアーティスト・徐震(シュー・ジェン)や、世界各国で活動する映像作家の楊福東(ヤン・フードン)をはじめ、東南アジアを代表する映画監督・アーティストのアピチャッポン・ウィーラセタクンやインドネシア生まれのパフォーマンス・アーティスト、ムラティ・スルヨダルモなどを展示。アジア圏を代表する現代美術作家たちを総覧できるブースとして注目したい。
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ウェストバンドでは、パブリックエリアの作品も見逃せない要素のひとつだ。2016年にスタートした「Xiàn Chǎng(現場)」では、アーティストたちが会場内外のパブリックエリアで大規模な作品を展開。今年は15作家が参加しているが、一際大きな存在感を放っていたのが村上隆とケリス・ウィン・エヴァンスの2人だ。
村上は全長18メートルにもおよぶ巨大な龍の作品《Dragon In Clouds - Indigo Blue》をホールNの入り口に展示。青一色で描かれた龍は会場外からも見ることができ、新たなスタートを切ったフェアを祝福するアイコンのようにも見える。
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いっぽう、ネオンを用いたテキスト作品に代表されるケリス・ウィン・エヴァンスは「能」をテーマにした作品《Neon Form(after Noh》をホールAの大階段で展示。近年日本の「能」に関心を持ち、能楽師の所作を示した図を引用した大型ネオン作品などを発表しているウィン・エヴァンスの最新作を楽しみたい。
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また、今年からウェストバンドでは「DREAM Video 100」というプロジェクトがスタート。ここでは、張培力(ジャン・ペイリー)が1988年に制作した作品《30x30》をはじめ、世界各国の90人以上のアーティストによる100点以上のビデオ作品が毎日12時間にわたって上映される。
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フェアを楽しんだ後は、周囲にあるギャラリーにも足を運んでほしい。オオタファインアーツ上海では、草間彌生の個展「THE LONGING FOR MY LOVE ALL BEGAN FROM MY HEART」が開幕。
草間が近年取り組んでいる巨大絵画シリーズである「わが永遠の魂」より34点がギャラリーの壁面を埋め尽くすほか、新作のミラールームやソフト・スカルプチャーなどを展示。中国では贋作点が開催されていたことで話題を集めた草間だが、ここでは本物の草間作品を存分に堪能したい。
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このほか、ウェストバンドにはShangARTやQiao Spaceなど多数のアートスポットがあるので、あわせて足を運ぶのがおすすめだ。