石川県金沢市の金沢21世紀美術館で、牛嶋均とさわひらきの2人展「牛嶋均 さわひらき ともにある風景」が開催される。会期は9月8日〜2027年4月18日。
同館はこれまで多様な活動を通じて能登との対話を重ね、令和6年能登半島地震以降もアートを通じた復興支援の取り組みを継続している。本展は、地震によって作品や公開場所が被災した両作家の表現を通して、災害によって失われたものを惜しむだけでなく、その経験を未来へつなぐ創造的なプロセスそのものを提示する試みだ。作品を元の姿に戻す「修復」ではなく、新たな場所との関係のなかで作品が変化し続ける可能性に着目する。


牛嶋均は1963年福岡県生まれ。身体パフォーマーとしての活動を経て、遊具を彫刻ととらえた体験型の作品を発表してきた。奥能登国際芸術祭2023に出品された屋外彫刻《松雲海風艀雲》(2023)は、地震による地滑りで崩落し解体が決まったが、作家自身が引き取り同館へ移送。芸術祭での展示とは異なるかたちで再構成し、新たな場所で生まれる風景の可能性を探る。


さわひらきは1977年石川県生まれ。映像や立体などを組み合わせた空間・時間インスタレーションを手がけている。今回、祖父母や父が暮らす奥能登、自身も深い関わりを持つ珠洲でのリサーチや対話を起点に新作を発表。海や山とともにある暮らしや記憶、世代を超えて育まれてきた価値観を見つめ、過酷な現実を受け止めるための「新たな神話」として映像インスタレーションを発表する。
会場では、被災した彫刻を再構成する牛嶋の新作と、珠洲でのリサーチをもとに制作されたさわの映像インスタレーション作品《くろとしろ》などを展示。表現手法の異なる2人がそれぞれ土地や人との結びつき、記憶や風景に向き合い、過去・現在・未来を結び直すことを試みる。
能登の震災を出発点としながらも、本展は地域固有の出来事にとどまらず、災害とともに生きる私たちが他者や世界とどのように関わり直していくのかという普遍的な問いを投げかける。場所や時間を超えて「ともにある風景」について考え、自分自身が暮らす土地や人とのつながりを見つめ直す機会となるだろう。

























