アーツ前橋で「ぬけみち展 かわす・つくる・ともにいる―生きるための回路」が開催。日常に別のルートを見出す実践

群馬県のアーツ前橋で、建築やファッション、デザイン、現代アートなど多様な領域で活動する7組の若手作家を紹介する「ぬけみち展 かわす・つくる・ともにいる―生きるための回路」が開催される。会期は7月4日〜8月30日。

dot architects + contact Gonzo「鉄道芸術祭 vol.10《GDP(Gonzo dot party)》」(2020)写真:吉見崚

 アーツ前橋で「ぬけみち展 かわす・つくる・ともにいる―生きるための回路」が開催される。会期は7月4日〜8月30日。

 「未来は良くなる」と希望を見出すことが難しく感じるいま、日常には言葉にならない不安や閉塞感が静かに広がっている。そのような時代において、社会や都市、他者との関係に向き合い、現実をわずかにずらす試みを行う作家たちの実践を紹介する。

「ぬけみち展 かわす・つくる・ともにいる―生きるための回路」メインヴィジュアル/デザイン:三重野龍

 本展のタイトルにある「ぬけみち」とは、現実からのたんなる逃避ではない。身の回りの環境を見つめ直したり、誰かと新しい関係を結んだりすることから生まれる、「この場所・この社会」をわずかにひらくための実践をインスピレーション源として提示する。

ジャンルを軽やかに横断し、都市と社会に「線」を引く

 本展には、建築、ファッション、デザイン、演劇、ストリートカルチャー、現代美術といった多様な領域で活動する若手作家7組が参加する。

SIDE CORE《rode work ver. under city》(2023)
坂本舞ニルセン《LOVEBOMB》(2024)

 ストリートカルチャーを起点に活動するアートチーム・SIDE COREは、公共空間におけるルールを紐解き、都市空間における表現の拡張を行ってきた。本展では《rode work ver. under city》(2023)などの実践を通じて、都市の隙間への介入を見せる。日本人とデンマーク人のルーツを持つデザイナーの坂本舞ニルセンは、軍服を再構築した《LOVEBOMB》(2024)をはじめ、社会的意味を強く帯びた衣服を解体・加工し、新たな物語へと開いていく探求を行う。

鈴木哲生『かんじ こびとがつくるもじとことば』(2025)出版:アリス館
三野新&山本卓卓《ここにたち、ここにたつ》(2024)写真:TOKYO PHOTOGRAPHIC RESEARCH

 グラフィックデザイナーの鈴木哲生による《かんじ こびとがつくるもじとことば》(2025)では言葉に宿る情緒の文字デザインを通じた可視化が試みられる。そして、写真家・劇作家の三野新と劇作家・演出家の山本卓卓による共作《ここにたち、ここにたつ》(2024)では、現代社会の感覚に応答する劇世界が展開される。

高野ユリカ《明るい場所への再訪》(2021)
阿部航太×KINO ミーティング「シネマポートレイト」(制作風景)(2026)

 また、歴史に名を残さなかった人々についての想像をテーマにする写真家・高野ユリカの《明るい場所への再訪》(2021)、そしてブラジルの路上文化調査や外国にルーツをもつ人々とのプロジェクトを展開するデザイナー・阿部航太の実践など、異なる分野の作家たちが都市やルール、身体や感情との関係に目を向けた多様なアプローチを紹介する。

編集部