EXHIBITIONS

エル・グレコ《受胎告知》 よみがえる色彩の輝き

2026.04.25 - 2027.03.28
 岡山県倉敷市の大原美術館で「エル・グレコ《受胎告知》 よみがえる色彩の輝き」が開催されている。会期は2027年3月28日まで。

 エル・グレコ(1541〜1614、本名ドメニコス・テオトコプーロス)はギリシャ出身の画家。16世紀半ばから17世紀初頭にかけてイタリア、スペインで活躍した。クレタ島でビザンティン様式を修めた後、1567年頃にイタリアへ移住し、ヴェネツィア派の色彩やマニエリスム的な身体表現を学んだ。76年頃にスペインへ渡って独自の画風を確立し、トレドを拠点に数々の作品を制作。19世紀末以降、パブロ・ピカソら前衛芸術家に再評価され、1910年代には表現主義の先駆者として評価されている。

 本展は、2025年に一般財団法人クラレ財団の助成を受けて実施した、エル・グレコ《受胎告知》(1590頃〜1603)の修復成果を紹介する。

 修復を経て制作当初の姿に近い状態によみがえった同作品を展示するとともに、修復作業の詳細を紹介し、絵画修復の仕事にも注目。また、1922年に児島虎次郎(1881〜1929)がパリのベルネーム・ジュヌ画廊で購入し、23年に倉敷で公開されて以来、日本で親しまれてきた作品の歴史を振り返るため、購入・公開当初の資料もあわせて展示している。

 《受胎告知》は、戦前から日本に存在した唯一のエル・グレコの油彩画として知られる。今回の修復では、プラド美術館の修復士エバ・マルティネスを招聘し、「エル・グレコが描いた当初の姿に限りなく近い状態へ戻す」ことを基本方針として、表層の汚れや後世の加筆・修復箇所を除去した成果を見ることができる。