ジャコメッティ、砂澤ビッキ、谷川俊太郎ら5名による「世界との対話」展が開催へ。東京都美術館の100周年を締め括り

東京都美術館で、開館100周年記念事業の締め括りとなる企画展「東京都美術館開館100周年記念 あなたが世界を読むために」が開催される。会期は11月19日〜2027年1月11日。

谷川俊太郎《自写像》(1951) ゼラチン・シルバー・プリント 17.3×17.3cm 株式会社谷川俊太郎事務所

 東京・上野の東京都美術館で、開館100周年記念事業の締め括りとなる企画展「東京都美術館開館100周年記念 あなたが世界を読むために」が開催される。会期は11月19日〜2027年1月11日。

 1926年に日本初の公立美術館として誕生し、2026年に大きな節目を迎えた東京都美術館。同館がミッションとして掲げる「自己を見つめ、世界との絆が深まる創造と共生の場」を礎とした本展では、多様な「読み方」による「世界との対話」をテーマに、時代や表現の背景が異なる5人のアーティストの作品を紹介する。

 出品作家は、アルベルト・ジャコメッティ(1901〜1966)、砂澤ビッキ(1931〜1989)、谷川俊太郎(1931〜2024)、エレナ・トゥタッチコワ(1984〜)、山西もも(1995〜)の5名。彫刻、写真、言葉、絵画といったジャンルを横断する作品の連鎖を通して、「光で読む」「時で読む」「言葉で読む」「自然から読む」「全身で想像する」という5つの「読み方」を提示する。

「光で読む」「時で読む」

 「光で読む──アルベルト・ジャコメッティ」では、20世紀彫刻の巨匠、ジャコメッティを紹介。ジャコメッティは1901年スイス生まれ、シュルレアリスム運動を経て、実存を主題とした細長い人体像を生涯にわたり追求した。

アルベルト・ジャコメッティ《裸婦小立像》(1946頃)石膏に彩色 8.9×3.7×2.3cm 神奈川県立近代美術館 撮影:菅谷守良
アルベルト・ジャコメッティ《裸婦立像》(1950頃)ブロンズ(着色) 21×5×7.2cm  富山県美術館(旧矢内原伊作コレクション)

 ジャコメッティの彫刻は、当たる光によって表情を変え、20年以上その作品を撮影し続けた写真家、エルンスト・シャイデッガー(1923〜2016)は「光の遊びがある」と評した。本章ではジャコメッティと深い親交のあった哲学者・矢内原伊作(1918〜1989)とフランス文学者で美術批評家の宇佐見英治(1918〜2002)の旧蔵品を紹介。

 「時で読む──山西もも」では鋳造作品とピンホール写真を組み合わせる山西ももの作品で「時」を読む。山西ももは1995年大阪府生まれ。東京藝術大学工芸科で鋳造を学び、アンモナイトの化石による鋳造作品と洞窟に着想を得たピンホール写真の組み合わせで「ZOOMS Japan 2024 グランプリ」を受賞した。

山西もも「光の王国」(2025)より 発色現像方式印画(Cプリント) 作家蔵
山西もも「光の王国」(2025)より 発色現像方式印画(Cプリント) 作家蔵

 本展で山西は自作のピンホール・カメラで撮影したネパールの新作と、鋳造作品の新作をあわせて展示する。を展示する。山西はヒマラヤ山脈等で出会ったアンモナイトの化石を「時間の鋳造物」と直感。型の中で金属が形を得る「鋳造」、そして箱の中に光を取り込んで像を結ぶ「写真」のプロセスを、数千万年の時を経て石へと変じた化石のプロセスと重ね合わせる。時の作用によって生成される「変容したイメージ(光の鋳造物)」としての写真と鋳造を通して、重層的な時間のあり方を紐解く。

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