今週末に見たい展覧会ベスト20。ゴッホ、柚木沙弥郎、アンチ・アクションに大カプコン展まで【6/6ページ】

「小出楢重 新しき油絵」(府中市美術館

裸女結髪 1927 京都国立近代美術館

 東京・府中の府中市美術館で「小出楢重 新しき油絵」が開催される。会期は2025年12月20日~2026年3月1日。

 小出楢重は大阪府生まれ。1907年に上京して東京美術学校日本画科に入学し、のちに西洋画科に転科した。卒業後は大阪で制作を続け、19年に《Nの家族》で二科展樗牛賞を受賞した。21年から翌年にかけて欧州を旅行し、23年に二科会会員となった。24年に鍋井克之、黒田重太郎、国枝金三らと大阪で信濃橋洋画研究所を開設し、関西の洋画界で指導的地位をつとめた。26年に芦屋へ転居し、裸婦像や静物画などアトリエ内での制作に取り組んだ。ガラス絵、挿絵・装幀、随筆など多彩な活動もみせ、31年に43歳で病没した。

 本展では、小出楢重が日本人として油絵を描く在り方を追究した姿勢に注目し、大正から昭和初期にかけての制作を紹介する。大阪中心部の商家に生まれ、庶民文化に育まれた背景とともに、洋行後の衣食住を洋風に改めた生活の様子を示す。会場では、日本女性の体型や肌質を描く裸婦、きゅうりやカボチャを描く静物など、西洋美術由来のテーマを扱った作品を展示。また代表作が一堂に会する回顧展として作品を展示し、その制作の展開を示す。

会期:2025年12月20日~2026年3月1日
会場:府中市美術館
住所:東京都府中市浅間町1-3(都立府中の森公園内)
電話:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:10:00~17:00 ※入場は閉館30分前まで
休館日:月(ただし1月12日、2月23日は開館)、12月29日〜1月3日、1月13日、2月24日
観覧料:一般 800円 / 高校・大学生 400円 / 小学・中学生 200円 / 未就学児 無料

「セカイノコトワリ―私たちの時代の美術」(京都国立近代美術館

AKI INOMATA やどかりに「やど」をわたしてみる -Border-(ラ・リューシュ、パリ) 2024 京都国立近代美術館蔵 ©AKI INOMATA 撮影:若林勇人

 京都国立近代美術館で「セカイノコトワリ―私たちの時代の美術」が開催される。会期は12月20日~2026年3月8日。

 本展では、1990年代から2025年現在までの美術表現を中心に、20名の国内作家による実践を紹介する。アーティストは美術という手段を通して、日々直面する様々な問題や、世界の根源的・普遍的な真理について気づかせる存在であるとされる。今回の展示では、「アイデンティティ」「身体」「歴史」「グローバル化社会」といったキーワードを手がかりに作品を紹介し、アーティストそれぞれの思考や実践のアウトプットとしての作品を展示する。

 出展作家は、青山悟、石原友明、AKI INOMATA、小谷元彦、笠原恵実子、風間サチコ、西條茜、志村信裕、高嶺格、竹村京、田中功起、手塚愛子、原田裕規、藤本由紀夫、古橋悌二、松井智惠、宮島達男、毛利悠子、森村泰昌、やなぎみわ。

会期:2025年12月20日~2026年3月8日
会場:京都国立近代美術館
住所:京都府京都市左京区岡崎円勝寺町
電話:075-761-4111
開館時間:10:00~18:00(金は〜20:00) ※入館は閉館30分前まで
休館日:月(ただし1月12日、2月23日は開館)、12月30日〜1月3日、1月13日、2月24日
観覧料:一般 1500円 / 大学生 700円 / 高校生以下・18歳未満 無料

「光る海 吉田博展」(MOA美術館

吉田博 瀬戸内海集より 光る海 1926 MOA美術館

 静岡・熱海のMOA美術館で「光る海 吉田博展」が開催される。会期は12月20日~2026年1月27日。

 本展では、近代風景画家である吉田博がとらえた風景画のうち、海を主題とした「瀬戸内海集」シリーズ、合計7年間を超える外遊によって生まれた「米国シリーズ」「欧州シリーズ」など、木版画の代表作約70点を展観する。

 後半生に傾倒した私家版木版画では、浮世絵版画の技法に油彩画のタッチと水彩画の色彩表現を加え、洋画技法を取り入れた。あわせて、吉田が描いた風景の現在の姿を撮影した映像を用い、作品を比較展示する。

会期:2025年12月20日~2026年1月27日
会場:MOA美術館
住所:静岡県熱海市桃山町26-2
電話:0557-84-2511
開館時間:9:30~16:30(入館は閉館の30分前まで)
休館日:木(祝休日の場合は開館)、1月5日〜1月9日(1月1日は開館)
観覧料:一般 2000円 / 高校・大学生 1400円 / 中学生以下、障害のある方とその付添者2名 無料

「綾錦 -近代西陣が認めた染織の美—」(根津美術館

 東京・南青山の根津美術館で、企画展「綾錦 -近代西陣が認めた染織の美—」が開催される。会期は12月20日~2026年2月1日

 本展では、大正期に刊行された染織図案集『綾錦』に掲載された初代根津嘉一郎(1860〜1940)旧蔵の染織品を展覧。『綾錦』は、大正天皇即位記念事業として新築された西陣織物館(現・京都市考古資料館)で開催された展覧会において、主催者が国内外の染織品を記録する目的で、選定した意匠を版画とコロタイプで再現したものである。能装束や古更紗の巻には、嘉一郎の名が多く記され、当時の染織品収集の状況を示す資料として位置づけられている。

 今回の展示では、『綾錦』掲載作のうち、現在確認できる20点を展示し、嘉一郎の染織コレクションの一端を紹介する。

会期:2025年12月20日~2026年2月1日
会場:根津美術館
住所:東京都港区南青山6-5-1
電話:03-3400-2536
開館時間:10:00~17:00(入館は閉館の30分前まで)休館日月(ただし1月12日は開館、翌火休館)、年末年始(12月27日〜1月5日)観覧料一般 1300円 / 学生 1000円 / 中学生以下 無料

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場 -junction-

2025.12.12 - 2026.01.24
parcel
馬喰町 - 清澄白河|東京