17世紀オランダ絵画を代表する巨匠レンブラント・ファン・レインによる素描《Young Lion Resting(横たわる若いライオン)》(1638–42頃)が、ニューヨークのサザビーズで行われたオークションにおいて1786万ドル(約28億円)で落札された。レンブラントによる素描作品としては、オークション史上最高額を記録した。
本作は、トマス・S・カプラン夫妻が20年以上にわたり築いてきた「ライデン・コレクション」に所蔵されていた一点。同コレクションは、レンブラントの絵画17点以上を含む、17世紀オランダ・フランドル美術における世界有数の個人コレクションとして知られている。今回の出品は、サザビーズの「Master Works on Paper from Five Centuries」セールの目玉として行われ、会場および電話による競りの末、会場内の入札者が落札した。
レンブラントが30代前半、アムステルダムで円熟期を迎えつつあった時期に描かれた本作は、首に綱をつけた若いライオンを三分の四正面から捉えたもの。生体を前にした写生であった可能性が高いとされ、線の一つひとつが、動物の量感のみならず、静けさのなかに潜む緊張感や威厳をも描き出している。

レンブラントによるライオンの素描の現存作は6点のみ。大英博物館、ルーヴル美術館、アムステルダム国立美術館、ボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン美術館などに所蔵されている。
今回の売却益は、世界40種の野生ネコ科動物の保護を目的とする自然保護団体「Panthera」に寄付される。サザビーズのオールドマスター・ドローイング部門責任者、グレゴリー・ルビンスタインは、「芸術と生命が交差する、きわめて感動的な結果」とコメントしている。
なお、これまでのレンブラント素描のオークション最高額は、2000年にクリスティーズ・ニューヨークで記録された374万ドルとなっていたため、本作はその記録を大きく塗り替える結果となった。






















