「没後40年 鴨居玲展 見えないものを描く」(美術館「えき」KYOTO)

戦後の奇才と称された鴨居玲(1928〜1985)の作品を紹介する展覧会「没後40年 鴨居玲展 見えないものを描く」が、JR京都駅ビルの美術館「えき」KYOTOで開催されている。会期は7月6日まで。
鴨居は1928年石川・金沢生まれ。金沢美術工芸専門学校(現・金沢美術工芸大学)で宮本三郎に学ぶ。59年から66年にかけてパリ、南米、ローマなどを巡ったのち、68年に日動画廊(大阪)で初の個展を開催。翌年に昭和会展優秀賞、安井賞を受賞した後に再び渡欧し、71年にスペインにアトリエを構え、マドリード、バルデペーニャス、トレドなどに住んだ。その後、パリとニューヨークで個展を開催し、77年の帰国後は神戸にアトリエを構える。84年に兵庫県文化賞を受賞。85年、神戸の自宅で世を去った。
鴨居は「写実」とは見えないものを描くことであるとし、人間の内面、己の理念を人物像などを描き出した。本展では、自画像の画家と呼ばれた鴨居の初期から晩年までの「自画像」、スペイン滞在時に生まれた「酔っぱらい」、帰国後に新たな挑戦として取り組んだ「女性像」、信仰に対する問いを表現した「教会」といったモチーフに着目し、その芸術像を紹介する。また、『週刊読売』で連載された、陳舜臣のエッセイ『弥縫録 中国名言集』のために手がけた挿絵原画の一部も展示される。
会期: 2025年5月30日~7月6日
会場:美術館「えき」KYOTO
住所:京都府京都市下京区烏丸通塩小路下ル東塩小路町ジェイアール京都伊勢丹 7階
電話番号:075-352-1111
開館時間:10:00~19:30 ※会館は閉館の30分前まで
休館日:会期中無休
料金:一般 1100円 / 大学・高校生 900円 / 小・中学生 500円
「五大浮世絵師展―歌麿 写楽 北斎 広重 国芳」(上野の森美術館)

上野の森美術館で開催されている「五大浮世絵師展ー歌麿 写楽 北斎 広重 国芳」は7月6日まで。会場レポートはこちら。
現在NHKの大河ドラマでも注目を集めている、江戸時代の文化を担った「浮世絵」。本展では、美人画を代表する喜多川歌麿、ダイナミックな役者絵で人気を博した東洲斎写楽、森羅万象を独自の手法で描いた葛飾北斎、名所絵を中心に浮世絵に新風を吹き込んだ歌川広重、迫力ある武者絵などで大きな存在感を示した歌川国芳などを展示。
それぞれの代表作を中心に約140点を紹介することで、特色あふれる表現やその功績の数々を紹介するものとなっている。
会期:2025年5月27日〜7月6日
会場:上野の森美術館
住所:東京都台東区上野公園1-2
電話番号:050-5541-8600(ハローダイヤル、9:00〜20:00)
開館時間:10:00〜17:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:会期中無休
料金:一般 2000円 / 高校・大学・専門学生 1500円 / 小・中学生 800円
※未就学児無料
※障がい者手帳(身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳)をお持ちの方とその介助者(1名まで)は当日料金から半額。
岡本太郎と太陽の塔―万国博に賭けたもの(川崎市岡本太郎美術館)

川崎・生田の川崎市岡本太郎美術館で企画展「岡本太郎と太陽の塔―万国博に賭けたもの」が7月6日まで開催されている。会場レポートはこちら。
1970年、大阪にて「人類の進歩と調和」をテーマとする日本万国博覧会が開催。岡本太郎がテーマ展示の一部として会場中心に据えた《太陽の塔》は、建設当時、モダニズムと相容れない独特の外観で賛否を巻き起こした。また、内側の構成も「人類の進歩と調和」に異議を唱える岡本の思想が大いに反映されたものだった。
本展は、民族学を源泉とし、国内の取材旅行を通して形成された岡本の思想から《太陽の塔》を探る「入門編」の展覧会だ。岡本が縄文の美の発見後、フィールドワークで撮影した写真を紹介するほか、《太陽の塔》の制作記録や同時期の作品を通して塔の内外がかたちづくられた過程をたどる。
会期:2025年4月26日~7月6日
会場:川崎市岡本太郎美術館
住所:神奈川県川崎市多摩区枡形7-1-5 生田緑地内
電話:044-900-9898
開館時間:9:30~17:00
観覧料:一般 900円 / 高校・大学生・65歳以上 700円 / 中学生以下 無料



















