今週末に見たい展覧会ベスト25。ミロ、鴨居玲、加藤泉にゴッホまで【4/8ページ】

「藤本壮介の建築:原初・未来・森」(森美術館

展示風景より、《仙台市(仮称)国際センター駅北地区複合施設》模型

 東京・六本木の森美術館で「藤本壮介展」が開幕した。会期は11月9日まで。会場レポートはこちら

 藤本壮介は1971年北海道生まれの建築家。東京大学卒業後、2000年に藤本壮介建築設計事務所を設立した。14年には《ラルブル・ブラン(白い樹)》でフランス・モンペリエ国際設計競技の最優秀賞を受賞。以降、15年、17年、18年にもヨーロッパ各国の国際設計競技で最優秀賞を受賞してきた。また2025年の大阪・関西万博の会場デザインプロデューサーを務めており、注目を集めている。

 本展は、藤本にとって初の大規模個展である。活動初期から世界各地で現在進行中のプロジェクトまで網羅的に紹介し、四半世紀にわたる歩みや建築的特徴、思想を概観する。今回の展示では、模型や設計図面、竣工写真に加え、インスタレーションや空間を体験できる大型模型、プロトタイプ(試作モデル)なども含まれ、建築に携わる人だけでなくだれもが藤本建築のエッセンスを体感できる、現代美術館ならではの展覧会となる。さらに藤本による未来の都市像の提案を通し、建築の存在意義や可能性についての考察も試みる。

会期:2025年7月2日~11月9日
会場:森美術館
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階
電話:050-5541-8600
開館時間:10:00~22:00(火・8月27日は〜17:00、9月23日は〜22:00)※入館は閉館30分前まで
休館日:会期中無休
料金:[平日]一般 2300円 / シニア(65歳以上)2000円 / 学生(高校・大学生)1400円 / 中学生以下 無料[土日・休日]一般 2500円 / シニア(65歳以上)2200円 / 学生(高校・大学生)1500円 / 中学生以下 無料

「ルイジ・ギッリ 終わらない風景」(東京都写真美術館

ルイジ・ギッリ ボローニャ、1989-90 「ジョルジョ・モランディのアトリエ」より 1989-90 東京都写真美術館蔵 ©Heirs of Luigi Ghirri

 東京・恵比寿の東京都写真美術館は、今年開館30周年を迎える。その記念展のひとつとして、イタリアの写真家ルイジ・ギッリの個展「総合開館30周年記念 ルイジ・ギッリ 終わらない風景」が開催される。本展はギッリのアジア初の美術館個展となる。会期は7月3日~9月28日。

 ギッリは、イタリアのレッジョ・エミリア県スカンディアーノ生まれ。測量技師としてのキャリアを積んだのち、コンセプチュアル・アーティストたちとの出会いをきっかけに、1970年代より本格的に写真制作を始めた。現実世界の複製ではなく、「見られた」視覚的断片によって風景をつくり出すための手段として写真をとらえていたギッリは、主にカラー写真による実験的な写真表現を行ってきた。また写真専門の出版社「プント・エ・ヴィルゴラ(Punto e Virgola)」を立ち上げ、プジェクト大学で写真理論に関する講義を行うなど、多岐にわたる活動を展開している。

 日本では、著書『写真講義』をきっかけにその名を知られるようになったが、欧米では個展開催やドキュメンタリー映画の発表など、近年国際的に注目されてきた。ギッリのアジア初美術館個展となる本展では、写真制作の初期である1970年代から晩年にかけての約20年間で制作した約130点が展覧。イタリアや旅先の風景、アーティストのスタジオ、自宅の室内、美術品、看板やポスター、窓や鏡に映る風景など、多様なギッリの視覚的断片によって構成された風景表現を紹介する内容となる。

会期:2025年7月3日~9月28日
会場:東京都写真美術館 2階展示室
住所:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
電話番号:03-3280-0099
開館時間:10:00~18:00 ※木・金~20:00 ※入館は閉館30分前まで
休館日:月 ※月が祝休日の場合は開館、翌平日は休館
料金:一般800円 / 学生640円 / 高校生・65歳以上 400円 / 中学生以下無料

「そのとき、どうする?展 –防災のこれからを見渡す–」(21_21 DESIGN SIGHT

 東京・六本木の21_21 DESIGN SIGHTで、企画展「そのとき、どうする?展 –防災のこれからを見渡す–」が開催される。会期は7月4日~11月3日。展覧会ディレクターには、ビジュアルデザインスタジオ・WOWを迎える。 

 自然災害は、いつどこで発生するのか確実にはわからない。災害大国と呼ばれる日本が、無縁ではいられないのは事実だ。災害の存在から目を背けず、そのとらえ方を見つめ直すことで、いまやるべきことや考えるべきことが見えてくるかもしれない。

 本展では、まず災害とは何かという視点から、これまでの地震や水害のデータビジュアライゼーションをはじめとしたリアルな状況把握や、防災に関するプロダクト、災害をきっかけに生まれたプロジェクトなど、人々が直面してきた自然災害を広く見つめ直す。また、各地に残る災害に関する言い伝えや今後の可能性に目を向けた研究など、過去から現代、そして未来にいたるまでの災害への向きあい方も紐解く。

会期:2025年7月4日~11月3日
会場:21_21 DESIGN SIGHT
住所:東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン
電話:03-3475-2121
開館時間:10:00~19:00(六本木アートナイト特別開館時間:9月26日、9月27日は〜22:00)※入場は閉館30分前まで
休館日:火(ただし、9月23日は開館)
観覧料:一般 1600円 / 大学生 800円 / 高校生 500円 / 中学生以下 無料