今週末に見たい展覧会ベスト12。青木野枝/三嶋りつ惠、ゴミうんち、恵比寿映像祭にビアズリーまで【2/4ページ】

今週開幕

「マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート」(森美術館

展示風景より、ルー・ヤン《独生独死―流動》

 東京・六本木の森美術館で、人類とテクノロジーの関係を考察しながら、未来の歩き方を想像する「マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート」展が開幕した。会期は2025年6月8日まで。会場レポートはこちら

 本展覧会の開催意図について、同館館長の片岡真実は次のように説明している。「生成AIは頻繁に報道されているように、広く社会を変革するものとして注目を集めている。そしてビデオゲームは世界の全人口の40パーセントがプレイをしているという統計もある。こうした状況が現代美術にどのような影響をもたらしているのかを考える展覧会としたい」。

 参加作家はビープル、ケイト・クロフォード、ヴラダン・ヨレル、ディムート、藤倉麻子、シュウ・ジャウェイ(許家維)、キム・アヨン、ルー・ヤン(陸揚)、佐藤瞭太郎、ジャコルビー・サッターホワイト、ヤコブ・クスク・ステンセン、アドリアン・ビシャル・ロハス、アニカ・イの12名。大きく分けて3つのセクションで構成されており、美術が技術と人間の狭間のどこにあるのかを問いかける。

会期:2025年2月13日〜6月8日
会場:森美術館
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー 53階
電話番号:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:10:00〜22:00(火〜17:00、ただし4月29日、5月6日は〜22:00)※入館は閉館の30分前まで
休館日:会期中無休
料金:[平日]一般 2000円 / 学生(高校・大学生) 1400円 / 子供(中学生以下) 無料 / シニア(65歳以上) 1700円 [土日祝]一般 2200円 / 学生(高校・大学生) 1500円 / 子供(中学生以下) 無料 / シニア(65歳以上) 1900円

「異端の奇才―ビアズリー」(三菱一号館美術館

オーブリー・ビアズリー クライマックス 1893(原画) ライン・ブロック ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館

 昨年11月にリニューアルオープンした東京・丸の内の三菱一号館美術館が、画家オーブリー・ビアズリー(1872〜1898)の回顧展「異端の奇才―ビアズリー」を開催する。会期は2月15日~5月11日。

 ビアズリーは25歳で世を去った英国の異才。ろうそくの光をたよりに、精緻な線描や大胆な白と黒の色面からなる、きわめて洗練された作品を描きつづけた。

 本展は、19世紀末の欧米を騒然とさせたビアズリーの歩みをたどる、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)との共同企画。出世作のマロリー著『アーサー王の死』(1893-94)や日本でもよく知られるワイルド著『サロメ』(1894)、後期の傑作ゴーティエ著『モーパン嬢』(1897)をはじめとする、初期から晩年までの挿絵や希少な直筆の素描に加え、彩色されたポスターや同時代の装飾など、約200点を通じてビアズリーの芸術を展覧する。

会期:2025年2月15日~5月11日
会場:三菱一号館美術館
住所:東京都千代田区丸の内2-6-2
電話:050-5541-8600
開館時間:10:00~18:00 (祝除く金、第2水、会期最終週平日、4月5日は~20:00) (入館は閉館時間の30分前まで)
休館日:月(2月24日、3月31日、4月28日、5月5日は開館)
観覧料:一般 2300円 / 大学生 1300円 / 高校生 1000円※詳しくは公式サイトを確認してほしい

「近藤亜樹:我が身をさいて、みた世界は」(水戸芸術館 現代美術ギャラリー

近藤亜樹 ザ・オーケストラ 2024 ©The artist. Courtesy of ShugoArts. 撮影=武藤滋生

 茨城・水戸の水戸芸術館 現代美術ギャラリーで「近藤亜樹:我が身をさいて、みた世界は」が開催される。

 近藤亜樹は、東日本大震災の余波に人々の心が揺らぐ2012年に画家としてデビュー。日常の事物や記憶に残る人々の面影、植物、幼子の言葉といったプライベートなモチーフから、生と死や超越的な自然の力といったテーマまでを自身のなかに受け止め、それらを描くことで異なる者同士が「いま・ここ」につながりあう世界を展望してきた。ときに抗しがたい出来事に向きあい、他者の存在やつながりを感じ取るなかで生み出されてきたその作品は、小さくささやかな存在や名状しがたい兆しに光をあて、人間の感受性を呼び覚ます。

 本展では、生への肯定や他者とともにあること、人間的な尺度を越えた自然の世界、植物とのささやかな交感、芸術の根源に対する問いなどをテーマに、絵画表現の可能性を切り開く近藤の現在を、建築家・青木淳による展示構成によって展覧。会場では、近藤の2022年以降の作品と、今展に向けて制作された50点を越える新作を一挙に展示する。

会期:2025年2月15日~5月6日
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー
住所:茨城県水戸市五軒町1-6-8
開館時間:10:00~18:00 ※入場は17:30まで 
休館日:月(ただし、2月24日、5月5日は開館 )、2月25日
料金:一般 900円 / 高校生以下、70歳以上、障害者手帳などをお持ちの方と付き添いの方1名は無料

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