今週末に見たい展覧会ベスト14。DIC川村記念美術館からチームラボプラネッツ、西條茜展まで【4/4ページ】

企画展「花器のある風景」(泉屋博古館東京

原在中・在明 春花図 19世紀 泉屋博古館

 泉屋博古館東京で、住友コレクションから花器や花器が描かれた絵画を紹介する「花器のある風景」展が1月25日に開幕する。

 日本における花器の歴史は、中国より寺院における荘厳の道具として伝来したのがはじまりとされる。室町時代には連歌や茶会、 生花など室内芸能がさかんになり、中国から輸入された唐物と称される書画、調度類や茶道具、文房具を座敷に並び立てる「座敷飾り」が発展。床の間の飾りには、唐物の花生、香炉、香合、天目などが飾られた。

 茶の湯の世界でも、清浄なる空間を演出するものとして、花器は重用された。唐物の金属製の花器をもとに、日本でも中世以降、陶磁器や竹など様々な素材で花器がつくられ、日本独自の美意識が誕生。本展では、住友コレクションに伝世された、室町時代の茶人・松本珠報が所持したとされる《砂張舟形釣花入 銘松本船》や、江戸時代の茶人・小堀遠州ゆかりの《古銅象耳花入 銘キネナリ》などの花器に加え、華道家・大郷理明から寄贈された花器コレクションを楽しむことができる。

会期:2025年1月25日~3月16日
会場:泉屋博古館東京(旧・泉屋博古館分館)
住所:東京都港区六本木1-5-1
電話番号:050-5541-8600
開館時間:11:00~18:00(金〜19:00) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月、2月25日(2月24日は開館)
料金:一般 1200円 / 学生 600円 / 18歳以下 無料

「豊原国周生誕190年 歌舞伎を描くー秘蔵の浮世絵初公開!」(静嘉堂文庫美術館

豊原国周 五世尾上菊五郎の弁天小僧菊之助 極楽寺山門の場 1889年 静嘉堂文庫美術館蔵

 静嘉堂@丸の内の静嘉堂文庫美術館で、「豊原国周生誕190年 歌舞伎を描くー秘蔵の浮世絵初公開!」が1月25日にスタートする。

 静嘉堂では、三菱二代社長・岩﨑彌之助の夫人・早苗が愛玩した「錦絵帖」を多数所蔵しており、1996年に開催した「静嘉堂文庫の古典籍 第二回 歌川国貞展―美人画を中心に」で主要作品を紹介。以来、国貞の美人画コレクションは、高く評価されている。

 本展では、美人画と並ぶ浮世絵の二大ジャンル・役者絵に注目。近世初期風俗画の優品《歌舞伎図屏風》を皮切りに、初期浮世絵から錦絵時代を経て明治まで、役者絵の歴史をたどる。浮世絵界の重鎮・国貞でなければ描けない密画の肉筆画帖《芝居町・新吉原 風俗鑑》、その弟子で明治の写楽・国周らの錦絵帖を初公開する。

会期:2025年1月25日~3月23日
会場:静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内)
住所:東京都千代田区丸の内2-1−1 明治生命館1F
電話番号:050-5541-8600
開館時間:10:00~17:00 ※入館は閉館30分前まで
休館日:月(祝日の場合は翌火)
料金:一般 1500円 / 大高生 1000円 / 中学生以下 無料

「ブルックリン博物館所蔵特別展 古代エジプト」(森アーツセンターギャラリー

貴族の男性のレリーフ 前1292~前1075年頃 ※東京展のみ出展 ブルックリン博物館所蔵 Photo:Brooklyn Museum

 森アーツセンターギャラリーで「ブルックリン博物館所蔵 特別展 古代エジプト」が開催される。

 本展は、ブルックリン博物館が所蔵する古代エジプトコレクションから、彫刻、棺、宝飾品、土器、パピルス、そして人間やネコのミイラなど約150点の遺物を通じて、古代エジプトの高度な文化を創出した人々の営みをひも解くもの。

 人々がどんな暮らしを営み、何を食べ、何を畏れていたのか。彼らはどんな言語を話し、何を書き残したのか。ピラミッドはなぜ、どのようにして造られたのか。ミイラに託されたメッセージや、そして死後の世界など、これまでのエジプト展で見過ごされてきた「知っているようで知らない事実」から最新技術を使ったピラミッドの研究成果まで、映像や音声も交えて紹介する。

会期:2025年1月25日~4月6日
会場:森アーツセンターギャラリー
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー52階
開館時間:10:00~18:00(金・土・祝前日は~20:00) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:会期中無休
料金:一般、大学・専門学生 2500円 / 高校・中学生 1800円 / 小学生 1200円(土・日・祝日は日時指定制) ※詳しくは公式サイトを確認してほしい

「『第1回 MIMOCA EYE / ミモカアイ』大賞受賞記念 西條茜展 ダブル・タッチ」(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館

西條茜 惑星 2024 撮影=来田猛

 香川県丸亀市の丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(MIMOCA)で、「『第1回MIMOCA EYE / ミモカアイ』大賞受賞記念 西條茜展」が1月26日に始まる。

 1989年生まれの西條は、京都市立芸術大学で陶磁器を学び、近年は陶磁器の特徴である空洞や表面の質感を活かし、身体と物質の関わりを探る作品を発表してきた。彼女は世界各地の窯元に滞在し、地元の伝説や歴史を取り入れた作品も制作するなど、幅広い視野と実験的なアプローチで注目を集めている。

 本展は、第1回受賞者である西條茜が受賞から2年の歳月を経て、陶を用いて身体性を表現する新作を中心に構成され、作品を通じた身体と物質の関係に焦点を当てる。陶やガラス素材を用いた作品のほか、パフォーマンスの様子も映像で展示され、作品とパフォーマー、あるいはパフォーマー同士の応答が引き起こされる。

会期:2025年1月26日〜3月30日
会場:丸亀市猪熊弦一郎現代美術館 2階展示室B、1階エントランス
住所:香川県丸亀市浜町80-1
電話番号:0877-24-7755
開館時間:10:00〜18:00 ※入館は17:30まで
休館日:月(ただし2025年2月24日は開館)、2025年2月25日
料金:一般 950円 / 大学生 650円 / 高校生以下または18歳未満・丸亀市内に在住の65歳以上・各種障害者手帳をお持ちの方とその介護者1名は無料

編集部

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