イェンス・フェンゲ「Parlour」(ペロタン東京)
ペロタン東京で、イェンス・フェンゲによる個展「パーラー」が12月28日に終了する。
イェンス・フェンゲは1965年スウェーデン・ヨーテボリ生まれ。現在、スウェーデン・ ストックホルム在住。20世紀初頭のコラージュと古代芸術である影絵を交差させながら、ペインティングのなかにペインティングを組み立てていくという、超現実的でマトリョーシカのような美学を構築。また、象徴的な肖像画から、静物画、家庭のインテリア、都市景観、風景画、幾何学的な抽象画まで、あらゆるジャンルの全階層を自身の作品に取り入れるとともに、パネル上に油絵具、鉛筆、ビニール、ボール紙、布などといった多様なメディウムや素材を用いて表現してきた。その洗練された絵による"劇"に登場する、輪郭的でしばしば"切り抜き"の主人公たちは、舞台のように重なりあう表現の層に流れ込む。
「パーラー」の語源は中世に遡り、かつて沈黙が厳守されていた修道院において、会話を交わすことが唯一許された部屋がパーラーと呼ばれた。フェンゲのパーラーは、私的あるいは家庭的なものを映し出す劇場として、人、動物、平凡な物をどこかで見たうろ覚えの情景のように継ぎ接ぎ、並べ替えて登場させ、内的世界を描き出すものである。
会期:2024年11月20日~12月28日
会場:ペロタン東京
住所:東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル1階 ペロタン東京
電話番号:03-6721-0687
開館時間11:00~19:00
料金:無料
「T.T I-A 02 遺物の声を聴く 応用考古学の庭」(草月会館)
デザイナー・髙橋大雅(1995〜2022)が2017年にニューヨークで立ち上げたブランド「T.T」(ティー・ティー)による展覧会が、赤坂の草月会館にあるイサム・ノグチ設計の石庭「天国」で12月29日まで行われている。
髙橋は10代の頃から海外のアンティークディーラーや古美術商を通じて、70~100年以上前の服を収集。その数は数千点に上り、過去の衣服や文化を研究し、現代や未来に存在し得る服を創造する活動を続けてきた。髙橋は2022年4月に早逝したが、京都・祇園につくり上げた総合芸術空間「T.T」や、約2000点におよぶ服飾資料や古美術品という膨大な遺産を残した。
本展は、24年に髙橋の遺物のアーカイヴを開示するためのプラットフォーム「T.T I-A(Institution of Archeology)」の第2弾として、髙橋がもっとも影響を受けた芸術家のひとりであるイサム・ノグチが作庭した石庭「天国」を主な展示空間とし、過去の遺物や約300点に及ぶヴィンテージの服飾資料、さらにそれらから着想を得て髙橋が制作した衣服や彫刻作品が公開されている。髙橋の掲げた「応用考古学」の理念を具体化し、過去の遺物や美意識を現代に甦らせる試みに注目してほしい。
会期:2024年12月22日〜12月29日
会場:草月会館
住所:東京都港区赤坂7丁目2-21 1F
開館時間:11:00〜19:00(29日〜15:00) ※最終入場は閉館の30分前
料金:無料
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