今週末に見たい展覧会ベスト5。カナレットから古陶磁、白髪一雄、金山明まで

今週閉幕する/開幕した展覧会のなかから、とくに注目したいものをピックアップしてお届け。なお、最新情報は各館公式サイトを参照してほしい。

「白髪一雄 金山明:プラス・マイナス 生誕100周年記念展」の展示風景よりPhoto by Ryuichi Maruo. Courtesy of Fergus McCaffrey

もうすぐ閉幕

「カナレットとヴェネツィアの輝き」(SOMPO美術館

展示風景より、カナレット《昇天祭、モーロ河岸のブチントーロ》(ダリッジ美術館、ロンドン)

 東京・新宿のSOMPO美術館で「カナレットとヴェネツィアの輝き」が12月28日に閉幕する。レポート記事はこちら

 本展は、ヴェネチア出身の巨匠・カナレットを本格的に取り上げる日本初の展覧会。カナレットの絵画作品を中心とした約70点の絵画や資料などで、中世から19世紀後半頃に至るヴェドゥータ(景観画)発展の系譜をたどるものとなっている。

 会場では、スコットランド国立美術館など英国コレクションを中心に、油彩、素描、版画など約60点で構成。カナレットによる緻密かつ壮麗なヴェネツィアの描写を通じ、18世紀の景観画というジャンルの成立過程をたどるとともに、その伝統を継承し、ヴェネツィアの新たなイメージを開拓していった19世紀の画家たちの作品を知ることもできる。

会期:2024年10月12日~12月28日
会場:SOMPO美術館
住所:東京都新宿区西新宿1-26-1
開館時間:10:00~18:00(毎週金~20:00) ※入場は閉館30分前まで
料金:一般 1800円 / 大学生 1200円 / 高校生以下無料

企画展「古陶磁にあらわれる『人間模様』展」(戸栗美術館

 東京・渋谷の戸栗美術館で、企画展「古陶磁にあらわれる『人間模様』展」が12月29日まで開催されている。

 多彩な装飾が特色である江戸時代の伊万里焼や、明時代の中国・景徳鎮窯の磁器のなかで、本展では人物のモチーフに注目する。吉祥図としてあらわされた神仙画や、歴史上の名場面を描いた歴史画、世相を反映した風俗画など、その内容は多岐にわたる。本展では、伊万里焼や景徳鎮窯磁器を中心に約70点の同館所蔵作品を、4つのテーマに分けて紹介している。

 表された人物は誰か、どのような背景から描かれたのか、そして、どのような人々が受容したのか。「人物文様」そのものだけではなく、当時の「人間関係」にも目を配りながら、古陶磁にまつわる「人間模様」を紐解く本展をお見逃しなく。

会期:2024年10月10日~12月29日
会場:戸栗美術館
住所:東京都渋谷区松濤1-11-3
電話番号:03-3465-0070
開館時間:10:00~17:00(金土〜20:00)※入館は閉館30分前まで
料金:一般 1200円 / 高大生 500円 / 中学生以下 無料(10月14日はメモリアルデーのため無料)

「白髪一雄 金山明:プラス・マイナス 生誕100周年記念展」(ファーガス・マカフリー東京

展示風景より
Photo by Ryuichi Maruo. Courtesy of Fergus McCaffrey

 具体美術協会の会員であった金山明(1924〜2006)と白髪一雄(1924〜2008)の生誕100周年を記念する展覧会「プラス・マイナス」が、表参道のファーガス・マカフリー東京で12月28日まで開催中だ。

 金山と白髪は、尼崎で生まれた幼馴染で、1940年代に芸術家を志し、芸術論を学んだのち、52年に前衛美術グループ「0会」を設立した。村上三郎田中敦子もこのグループに加わり、当時の美術界に新しい風を吹き込んだ。54年には、金山の幾何学的な抽象画と、白髪が指や足を使って描いた作品が注目を集め、白髪の提唱する「プラス・マイナス」の芸術哲学が徐々にかたちづくられていった。

 本展では、両作家が追求した革新性と独自の絵画手法に焦点を当てる。金山のロボットを用いた絵画作品や、白髪が足で描いた独創的な作品を紹介し、「これまでにないものを創れ」という具体のモットーを体感できるものとなっている。

会期:2024年10月3日〜12月28日
会場:ファーガス・マカフリー東京
住所:東京都港区北青山3-5-9
電話番号:03-6447-2660
開館時間:11:00~19:00
料金:無料

Exhibition Ranking