EXHIBITIONS

白髪一雄 金山明:プラス・マイナス 生誕100周年記念展

Installation views of ‘Kazuo Shiraga & Akira Kanayama: Plus-Minus’,
at Fergus McCaffrey Tokyo, 2024. Photo by Ryuichi Maruo. Courtesy of Fergus McCaffrey.

 ファーガス・マカフリー東京で「白髪一雄 金山明:プラス・マイナス 生誕100周年記念展」が開催される。

 ファーガス・マカフリー東京は、金山明(1924〜2006)と白髪一雄(1924〜2008)による絵画を展示する、両作家の生誕100周年記念展を開催。本展は「これまでにないものをつくれ」という具体のモットーを体現する、独自性と革新性に満ちた絵画手法にスポットライトを当てる。

 金山と白髪はともに尼崎に生まれ、幼馴染であり芸術家を志した。1940年代に芸術論を学んだのち、1952年前衛美術グループ「0(ゼロ)会」を設立(ほか創立メンバーに村上三郎、田中敦子も追って参加)。1954年に出展された金山の還元的でモンドリアンを思わせる幾何学的な線と、指と足を使った白髪の初期絵画は、白髪の言う「プラス・マイナス」の芸術哲学を導き出していく。

 ふたりの前衛性は、1955年初めに吉原治良の目に留まり、両作家は村上三郎、田中敦子とともに、具体美術家協会に招かれた。その後、0会の元メンバーたちは、1955年から1957年にかけて野外や舞台でインタラクティブ・アートやパフォーマンス・アートを探求し、急速に具体を代表する存在となる。

 本展は、ともに歩み美術史に名を残すことになった両作家の絵画手法を、あらためて考え直す機会となる。