三連休に見たい展覧会ベスト10。アレック・ソスから若冲激レア展、テレンス・コンランまで【3/3ページ】

「若冲激レア展」(福田美術館

伊藤若冲《果蔬図巻》(1791)の部分

 10月1日で開館5周年を迎えた京都・嵐山の福田美術館で、略称「若冲激レア展」が開催される。世界初公開となる伊藤若冲《果蔬図巻(かそずかん)》を、同館が所蔵する若冲の作品約30点とともに紹介するものだ。

 《果蔬図巻》は寛政2年(1790)以前、若冲が70代のときに描かれた全長3メートルあまりの大作で、若冲ならではの美しい色彩を用いて様々な野菜や果物が描かれた巻物。70代で色絵を描いた例は少なく、重要文化財に指定されている「菜蟲譜(さいちゅうふ)」(佐野市立吉澤記念美術館所蔵・重要文化財)の前年に描かれていることから、今後若冲に関する研究を進めるうえで大きな意味を持っていると考えられる。

 本展では《果蔬図巻》に加え、現存する若冲の作品のなかでもっとも若い時期に描かれたとされる《蕪に双鶏図》や、相国寺の僧・梅荘顕常(大典)とともに京都から大阪まで舟で移動したときの風景をもとに制作された版画《乗興舟》も展示。紅葉の嵐山で若冲にどっぷり浸る機会だ。

会期:2024年10月12日~2025年1月19日
会場:福田美術館
住所:京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町3-16
開館時間:10:00〜17:00 ※最終入館は16:30まで
休館日:12月3日屏風の入れ替え、年末年始(12月30日~1月1日)
料金:一般・大学生 1500円 / 高校生 900円 / 小中学生 500円 / 障がい者と介添人1名まで 各900円

「MEET YOUR ART FESTIVAL 2024 『NEW ERA』」(天王洲運河一帯)

 東京・天王洲運河一帯(寺田倉庫を中心とした7会場)で、国内最大級のアートとカルチャーの祭典「MEET YOUR ART FESTIVAL 2024『NEW ERA』」が10月11日~14日の4日間で開催される。

 MEET YOUR ART FESTIVALはアートを軸に、音楽・食・ファッション・ライフスタイルなどの隣接したカルチャーを一堂に会することで、領域を超えてそれぞれの魅力に気付きを生み出すとともに、アートに対する新しい出会いや発見を設計することを目指す、領域横断型のアートフェスティバルだ。

 今年は、日本とアジアの新しいムーヴメントやアーティスト・クリエイターを複合的に扱うことで、日本のみならずグローバル目線で最新のアートやカルチャーシーンを体験できるアートフェスティバルへの深化を試みる。フェスティバルテーマを「NEW ERA」とし、未来の文化芸術の担い手となる国内外の気鋭のアーティストやキュレーター・ディレクターと協働して、さらなる新しいうねりが生まれる起点となることも目指している。

会期:2024年10月11日~10月14日
会場:天王洲運河一帯 (寺田倉庫ほか)
住所:東京都品川区東品川2丁目1-11
開館時間:11:00~20:00(11日は16:00〜21:00、最終日は〜18:00)
料金:一般 2500円 / 学生 1500円 / 中学生以下 無料

「テレンス・コンラン モダン・ブリテンをデザインする」(東京ステーションギャラリー

コンランと彼がデザインした「コーン・チェア」 1952年撮影 レイモンド・ウィリアムズ・エステート蔵
Photo © Estate of Raymond Williams / Courtesy of the Conran family

 東京ステーションギャラリーでは「テレンス・コンラン モダン・ブリテンをデザインする」展が10月12日から開催される。

 サー・テレンス・コンラン(1931〜2020)は、シンプルで機能的なデザインが生活の質を向上させると信じ、個人の生活空間から都市全体に至るまで、デザインの力で変革を追求したデザイナーだ。戦後すぐにテキスタイルや食器のパターンデザイナーとして活動を開始し、1960年代には「ハビタ」というホームスタイリングを提案する革新的なショップを展開し、チェーン展開で成功を収めた。その後、1970年代には「ザ・コンランショップ」を通じてセレクトショップの概念を広め、世界のデザイン市場、とりわけ日本に大きな影響を与えた。

 本展では、コンランがデザインした食器やテキスタイル、家具のマケット、ショップやレストランのためのアイテム、愛用品、著書、写真、映像など、300点以上の作品や資料を展示。また、彼から影響を受けた人物たちのインタビューも交え、コンランの人物像を多面的に掘り下げる。日本で初めてとなるこの大規模展は、彼のデザイン哲学とその影響力を再評価する貴重な機会となる。

会期:2024年10月12日~2025年1月5日
会場:東京ステーションギャラリー
住所:東京都千代田区丸の内1-9-1
電話番号:03-3212-2485
開館時間:10:00~18:00(金~20:00)※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし、10月14日、11月4日、12月23日は開館)、10月15日、11月5日、12月29日~2025年1月1日
料金:一般 1500円 / 高校・大学生 1300円 / 中学生以下 無料

「カナレットとヴェネツィアの輝き」(SOMPO美術館

カナレット 昇天祭、モーロ河岸のブチントーロ 1760
キャンバスに油彩 58.3×101.8cm ダリッジ美術館、ロンドン Dulwich Picture Gallery, London

 SOMPO美術館で「ヴェドゥータの巨匠カナレット展」が10月12日から開催され、日本で初めて18世紀イタリアの画家カナレット(1697〜1768)の全貌を紹介する展覧会だ。

 本展は、スコットランド国立美術館をはじめとする英国コレクションを中心に、油彩、素描、版画など約60点を展示するもの。カナレットは精密な透視図法を駆使し、ヴェネツィアの壮麗な風景を描いたことで知られており、その作品は「グランド・ツアー」でイタリアを訪れた英国の上流階級にとくに人気があった。

 本展では、カナレットによるヴェネツィアの壮麗な風景画を通じて、18世紀の景観画の成立過程をたどるとともに、彼以後の画家たちが描いたヴェネツィアの姿も紹介。また、カナレットの後継者たちがどのようにヴェネツィアを描き、20世紀初頭のモネに至るまでその魅力がどのように変化したかを探る。

会期:2024年10月12日~2025年1月5日
会場:SOMPO美術館
住所:東京都新宿区西新宿1-26-1
電話番号:050-5541-8600
開館時間:10:00~18:00(金~20:00)※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし10月14日、11月4日は開館)、年末年始
料金:一般 1800円 / 大学生 1200円 / 小中高校生 無料

編集部

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