カイカイキキギャラリーで「東北画は可能か?」の展覧会「東北画は可能か?-生々世々- 」が開催される。会期は7月8日〜7月28日。
「東北画は可能か?」は、2009年11月、東北芸術工科大学にて三瀬夏之介と鴻崎正武により、東北における美術を考えるチュートリアル活動としてスタートした。
東北芸術工科大学の教員、在学生、卒業生、思いを同じくする作家たちを中心に活動しており、山形を拠点に、福島や青森でのフィールドワークを重ね、東北のみならず東京、京都などでも作品を発表。東北の多様なあり方を、全国から集まったメンバーで議論と制作、展覧会を重ねながら模索している。
今回のカイカイキキギャラリーでの展覧会は、村上隆が椹木野衣のキュレーションした「平成美術:うたかたと瓦礫1989-2019」(京都市京セラ美術館)に出品された「東北画は可能か?」の作品を見て、心を動かされたことが契機となったという。
三瀬も村上の熱意に打たれたといい、《東北八重山景》や《方舟計画》を再制作するとともに、新たな共同制作をコミッションワークとして制作し、展示する事となった。
コミッションワークによる新作は「災害」をテーマにしたもので、《生々世々(しょうじょうせぜ)》と命名。本作について三瀬は次のようにコメントしている。「人間の存在を前提とする『災害』という概念を、それが降りかかった個人や集団の対応能力を遥かに超えるような大きな力であると規定し、歴史的に記録されるような大災害から、失恋や肉親との別れといったパーソナルな災害を、洛中洛外図の構造をベースにパッチワーク状に敷き詰めていくという制作の方向性がすぐに決まった」(プレスリリースより)。