「東北画は可能か?」は、2009年に東北芸術工科大学で、東北における美術を考える活動としてスタートしたプロジェクト。それぞれ日本画コースと洋画コースで教員を務める三瀬夏之介と鴻崎正武をはじめ、在学生、卒業生を中心に活動を続けている。
日本のアートシーンが首都圏に集中するなか、そこから遠く離れた東北において、その地域名を冠した絵画が成立する可能性を探る試みとして、東北の各地でフィールドワークを重ね、東京や京都などでも展覧会を開催している。
本展では、東北地方を独立した「地方之国」に見立てたうえで、鶴岡アートフォーラム全体を「地方之国構想博物館」として、民俗資料とアート作品を並列して展示する。山、川、海の「道」をテーマに構成された空間を鑑賞者が歩き回ることで、地域と地域、過去と現在の人々の営みを再考する展覧会となる。
また、本プロジェクトの発起人のひとりである三瀬夏之介の個展も同時開催。既存の日本画の枠にとらわれない、多様なモチーフや素材を用いた作品を、大型のものを中心に展示空間を大胆に使って展開する。