鉄道でめぐる芸術祭。「いちはらアート×ミックス2020+」
千葉県市原市の小湊鉄道を軸とする周辺エリアを舞台に展開される芸術祭「いちはらアート×ミックス」。昨年3月の開幕予定がコロナ禍で延期となり、現在「2020+」として開催されている。
小湊鉄道でめぐるこの芸術祭では、宇宙をテーマにしたレオニート・チシコフの作品をはじめ、駅舎で展示を行う「駅プロジェクト」が特徴的だ。また今回西野達は、ホームに隣接した《上総久保駅ホテル》をオープン。駅ができてから88年間ほとんど変わっていない景色の価値を、あらためて見出してほしいという思いが込められている。
また、エルモ・フェアメイズや磯辺行久による作品が集まる月崎・田淵エリア、アートの拠点として生まれ変わった元小学校や古い民家のある月出集落、冨安由真、開発好明、秋廣誠ら12名の作家が展示する旧平三小学校など、歴史を感じる建造物や雄大な自然のなかで作品を楽しむことができる。なお同時期に市原湖畔美術館では、戸谷成雄の個展「森―湖:再生と記憶」が開催中。こちらもあわせてチェックしてほしい。
会期:2021年11月19日~12月26日
会場:小湊鉄道を軸とした周辺エリア
電話番号:0436-50-1160(いちはらアート×ミックス実行委員会事務局)
開館時間:10:00~16:00
休館日:月、火 ※開場時間、休場日は施設やイベントによって異なる
料金:作品鑑賞パスポート一般 3000円 / 高校・大学生 1500円 / 小・中学生 500円 ※会場ごとの個別鑑賞券あり
古きよき農村の暮らし。「グランマ・モーゼス展―素敵な100年人生」(世田谷美術館)
70代から本格的に絵を描き、グランマ・モーゼスの愛称で親しまれてきたアンナ・メアリー・ロバートソン・モーゼス(1860~1961)。その生誕160年を記念する回顧展「グランマ・モーゼス展―素敵な100年人生」が、11月20日に世田谷美術館で開幕した。
グランマ・モーゼスは人生の大半を農婦として過ごし、刺繍絵の制作をきっかけに75歳から絵画に取り組み始めた。80歳のときにはニューヨークで初個展を開催。作品の人気が一気に広がり、101歳で没してからいまに至るまで、多くの人に愛されている。本展はそんな彼女の人生を、絵画約80点を含む約130点の作品・資料でたどるものだ。
会場には、豊かな自然や農村の生活場面を主題とした作品が並ぶ。キルトや石鹸、ロウソクづくり、作物の収穫、そして季節の行事など、時間の移ろいのなかで鮮やかに浮かび上がる場面が描かれている。また、アメリカ国外では初公開となる作業テーブルや、実際に使用していたキルトなども展示。堅実でありながら豊かなその生活も垣間見ることができるだろう。
会期:2021年11月20日~2022年2月27日
会場:世田谷美術館
住所:世田谷区砧公園1-2
電話番号:050-5541-8600
開館時間:10:00~18:00
休館日:月(ただし2022年1月11日は開館)、年末年始(2021年12月29日~2022年1月3日)、1月12日
料金:一般 1600円 / 65歳以上 1300円 / 大学・高校生 800円 / 小・中学生 500円 ※日時指定制
ポストコロナの社会を探る。「『新しい成長』の提起」(東京藝術大学大学美術館)
民間有志による実行委員会と東京藝術大学の共同事業「ポストコロナ・アーツ基金(PCAF)」の展覧会「『新しい成長』の提起 ポストコロナ社会を創造するアーツプロジェクト」が、11月28日に東京藝術大学大学美術館で閉幕する。
同基金は、コロナ禍以降の社会に対する価値観や視点を、アーティストとの協働プロジェクトによって創出することを目指す。活動の柱のひとつである本展では、16組のアーティストが映像、インスタレーション、パフォーマンスなど多様な方法でこれからの社会を考える。
参加アーティストは、青柳菜摘、池田剛介、遠藤麻衣、大和田俊、小泉明郞、SIDE CORE、サエボーグ、竹内公太、Chim↑Pom、中村裕太、西村雄輔、長谷川愛、布施琳太郎、毛利悠子、百瀬文、柳瀬安里。
会期:2021年11月13日~11月28日
会場:東京藝術大学大学美術館
住所:東京都台東区上野公園12-8 東京藝術大学大学美術館
電話番号:03-5777-8600
開館時間:10:00~17:00(入館は閉館の30分前まで) ※最新情報は公式ウェブサイトにて要確認
料金:無料