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「Dia:Beacon」とは何か? ニューヨークを代表する現代美術館へ

ニューヨーク・マンハッタンから電車で約90分の小さな街ビーコンに、モダンで落ち着いた雰囲気の「Dia:Beacon(ディア・ビーコン)」という美術館がある。2003年にオープンし、リチャード・セラやメグ・ウェブスター、ドナルド・ジャッド、河原温、ゲルハルト・リヒターなどの作品を長期・常設展示している同館の様子を現地からレポートする。

文=上川紋 Images Courtesy of Dia Art Foundation, New York

Dia:BeaconのメインエントランスDia:Beacon, Riggio Galleries, Beacon, New York. © Dia Art Foundation, New York. Photo: Bill Jacobson Studio, New York

半世紀にわたるディア芸術財団の活動

 ディア芸術財団はフィリッパ・デ・メニルとその夫で画商のハイナー・フリードリヒ、そして美術史家ヘレン・ウィンクラーの3人によって1974年に設立された。従来の美術の価値観や組織体制に疑問を投げかける芸術運動に影響され、同財団も画廊や美術館の従来の構造に対抗する組織になるように、ひとつの場所だけにとらわれない、新しい制度を創設した。「財団の目的は、個人のコレクターが簡単に所蔵できない、もしくは物理的、あるいは金銭的に制作困難な公的プロジェクトを計画し、現実化し、そしてそれを維持することである」(*1)。そして、独立した作家個人の美術館を設立し、長期展示を目的とし、それを20世紀の文化的伝統にするとした。現在も財団が所有、管理するサイト・スペシフィックな作品はそれぞれ一作品の展示となっている。多くの作品を展示するディア・ビーコンでも、ひとりの作家にひとつの展示室を設けており、他作家の作品に影響されにくいように工夫されている。

Dia:Beaconの外観
Dia:Beacon, Riggio Galleries, Beacon, New York. © Dia Art Foundation, New York. Photo: Bill Jacobson Studio, New York

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