2020.10.31

「びじゅチューン!」とコラボした体験型の展覧会が東博で開催。高精細複製や映像で「びじゅつ」を楽しむ

東京国立博物館と文化財活用センターは、 NHKとの共催により、親と子のギャラリー「トーハク×びじゅチューン!なりきり日本美術館リターンズ」を東京国立博物館本館で開催する。会期は10月27日~12月6日。

「トーハク×びじゅチューン!なりきり日本美術館リターンズ」メインビジュアル
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 東京国立博物館(以下、東博)と文化財活用センターは、 NHKとの共催により、親と子のギャラリー「トーハク×びじゅチューン!なりきり日本美術館リターンズ」を東京国立博物館本館で開催する。会期は10月27日~12月6日。

  同展は、2018年に東博で開催された「なりきり日本美術館」 の続編で、アーティストの井上涼が歌とアニメで世界の「びじゅつ」を紹介するテレビ番組「びじゅチューン!」とコラボレーション。番組で取り上げられた東博所蔵の文化財をテーマに、高精細複製や映像を使用して「びじゅつ」を楽しむ体験型の展覧会となっている。

 今回は新たに重要文化財《風神雷神図屛風》《夏秋草図屛風》、国宝《松林図屛風》、国宝《八橋蒔絵螺鈿硯箱》に関わる3つのコンテンツが体験できる。

 「風神雷神図屛風・夏秋草図屛風 表と裏でダブルデート」では、現在は保存のために別々の屛風に仕立てられている重要文化財の尾形光琳《風神雷神図屛風》と酒井抱一《夏秋草図屛風》を、表裏一体のかつての姿で再現した高精細複製品を展示。プロジェクションマッピングと音響による演出を組み合わせ、屛風の世界を表現する。また、風神・雷神になりきって屛風のなかに雷や風を起こせるインタラクティブな仕掛けも組み込まれる。

「風神雷神図屛風・夏秋草図屛風 表と裏でダブルデート」展示イメージ

 「国宝『松林図』ライブ」は、国宝の長谷川等伯《松林図屛風》の高精細複製品とプロジェクションマッピングによる展示だ。「びじゅチューン!」に登場する松の木のユニット「松林ズ」がパフォーマンスする世界観に寄せ、展示室内をライブ会場に見立てた。ライブの観客になりきって松林の1日を表現した映像を堪能できる。

「国宝『松林図』ライブ」展示イメージ

 また、「おじゃまします八橋蒔絵硯箱」では、自分だけの《八橋蒔絵螺鈿硯箱》のデザインをタブレット上で体験できるプログラム 「うるし体験」 を開催。

 さらに、硯箱の中に人が住んでいるという「びじゅチューン!」の歌にちなみ、 展示室内に高さ約2メートルの巨大な硯箱を設置。橋を渡って硯箱に近づくと、人の動きに合わせて水面が揺れたり、水中の魚が動いたりと、光琳の世界を映像で体感できる。

「おじゃまします八橋蒔絵硯箱」展示イメージ

 複製やデジタル技術によって作品の背後にある物語を体感することで、新たな一面が見えてくる展覧会となっている。