アーティゾン美術館の開館記念展から「出雲と大和」まで、今週末に見たい3つの展覧会

今週スタートした展覧会のなかから、とくに注目したい3つをピックアップして紹介する。この機会をお見逃しなく。

「見えてくる光景 コレクションの現在地」第1部の展示風景より、手前はピエール=オーギュスト・ルノワール《すわるジョルジュエット・シャルパンティエ嬢》(1876)

新収蔵作品を含む選りすぐりのコレクション。「見えてくる光景 コレクションの現在地」(アーティゾン美術館

展示風景より、左から新収蔵のヴァシリー・カンディンスキー《自らが輝く》(1924)、コンスタンティン・ブランクーシ《ポガニー嬢Ⅱ》(1925、2006鋳造)

 東京・京橋のブリヂストン美術館を前身とする「アーティゾン美術館」がついにオープン。その開館記念展「見えてくる光景 コレクションの現在地」が1月18日、開幕した。

 本展では展示室をすべて使用し、美術館を運営する石橋財団のコレクション約2800点から206点を2部に分けて紹介。第1部「アートをひろげる」では、マネ、セザンヌ、ルノワール、カンディンスキー、 青木繁、マーク・ロスコ、ジャクソン・ポロック、草間彌生らによる作品を、時代や国にとらわれず「ひとつの地平」のうえで見ることができる。ここではコンスタンティン・ブランクーシ《ポガニー嬢Ⅱ》(1925、2006鋳造)、ヴァシリー・カンディンスキー《自らが輝く》(1924)といった新収蔵作品に注目したい。また第2部「アートをさぐる」では、「装飾」「聖俗」などの普遍的なテーマから作品を掘り下げることを試みる。

 なお同館では、混雑緩和を目指し日時指定の予約制を導入。新たな美術館の建築を活かした展示空間にも注目しながら、ゆったりと豊かなコレクションを楽しみたい。

会期:2020年1月18日~3月31日
会場:アーティゾン美術館
住所:東京都中央区京橋1-7-2
電話番号:03-5777-8600
開館時間:10:00~18:00(金〜20:00、3月20日を除く) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし2月24日は開館)、2月25日
ウェブ料金:一般 1100円 / 大学生以下無料(要予約)/ 中学生以下無料(予約不要)
当日料金:一般 1500円 / ほか詳細は11月1日以降、美術館公式サイトを確認のこと
 

ふたつの地の名宝が一堂に。「出雲と大和」(東京国立博物館

展示風景より、国宝《七支刀》(4世紀)

 日本成立の基礎となったふたつの地の名宝が一堂に集結する展覧会「出雲と大和」が、東京・上野の東京国立博物館で1月15日に開幕した。

 本展は、「巨大本殿 出雲大社」「出雲 古代祭祀の源流」「大和 王権誕生の地」「仏と政(まつりごと)」の4章で構成。日本の基盤がかたちづくられた弥生から奈良にかけての時代を中心に、貴重な出土品や美術品を紹介する。なかでも注目したいのは、鎌倉時代の出雲大社本殿を支えていた《心御柱(しんのみはしら)》(1248)と《宇豆柱(うづばしら)》(1248)や、島根・出雲市の荒神谷遺跡で出土した銅剣168本、各地の銅鐸・銅矛、そして古墳時代から伝世されてきた国宝《七支刀》(4世紀)。日本の成立と発展、そして出雲と大和というふたつの地の交流も見ることができる。

会期:2020年1月15日〜3月8日
会場:東京国立博物館 平成館
住所:東京都台東区上野公園13-9
電話番号:03-5777-8600
開館時間:9:30〜17:00(金土~21:00)
休館日:月(2020年2月24日は開館)、2月25日
料金:一般 1600円 / 大学生 1200円 / 高校生 900円 / 中学生以下無料
 

身体と音楽、写真の出会い。「ヤコポ バボーニ スキリンジ展 Bodyscore – the soul signature」(シャネル・ネクサス・ホール

展示風景より

 8歳から作曲を始め、オーケストラやアンサンブル、ソロのための曲のほか、インスタレーションや映像作品のための音を制作してきた現代音楽家、ヤコポ・バボーニ・スキリンジの個展「Bodyscore – the soul signature」が1月15日、東京・銀座のシャネル・ネクサス・ホールでスタートした。

 2007年、バボーニ・スキリンジは裸の人体に楽譜を書くという独自の手法を生み出した。本展ではそのシリーズから、16年から19年のあいだにに制作された30点を紹介。メインとなるのは、展示室の中央に位置する弦楽四重奏の作品だ。写真は曲を構成するヴァイオリン(ファースト、セカンド)、ヴィオラ、チェロの楽譜となっており、それぞれの前に立つことで、そのパートの音楽が流れるインタラクティブな仕掛けがなされている。身体と楽譜、そして写真と音楽の出会いをお見逃しなく。

会期:2020年1月15日~2月16日
会場:シャネル・ネクサス・ホール
住所:東京都中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング4F
電話番号:03−3779−4001
開館時間:12:00~19:30
休館日:会期中無休
料金:無料

編集部

Exhibition Ranking